この記事では「国士無双」について解説する。「国士無双」ははっきり言ってあまり日常的な意味合いじゃない。昔は日常で使われることもあったかもしれないが、生活が変わるにつれて段々と使用されなくなっていき、今はもうゲームや漫画なんかのメディア作品に登場するのみになりつつあるな。しかし、それだけに学ぶ機会は少ない。この記事を機に学習してくれ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「国士無双」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「国士無双」の意味とは?

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「国士無双」の意味は以下の通りです。

国士無双とは、その国の中で並び立つものが居ない優れた人物のこと。

出典:Weblio辞書「国士無双 意味」

読み方は「こくしむそう」となります。元々は中国で生まれた言葉であり、同格の者がいないほどの傑出した逸材という意味です。現代で使用するとやや誇張したような、大げさな表現という印象を与えることもあります。

また、あくまで対象は人です。人に対してどのような人物かを説明する際に使用される言葉であり、打ち立てた功績や能力の高さに対して使用される言葉ではありません。注意してください。

「国士無双」の使い方

「国士無双」は以下のように使用します。

\次のページで「「国士無双」を分解してみよう」を解説!/

1.オリンピック選手は、皆それぞれの競技における「国士無双」たちだ。
2.この分野において、彼は「国士無双」と言っても良い。
3.業界の「国士無双」である彼女の言う事だから、聞き入れないわけにいくまい。

注意するべき点は、「国士無双」という言葉の意味が「その国の中で並び立つものが居ない優れた人物」であるということ。つまり、そのような「人間である」というニュアンスが最初から入っていることです。

例えば1番の例文において、「国士無双たちだ」ではなく、「国士無双の人物たちだ」と表記すると、これは間違いになります。「国士無双」は「優れた人物」という意味であるため、「優れた人物の人物たちだ」ということになり、意味が重複してしまうのです。「国士無双」を使用する際は、大抵「だ/である」で言い切る場合が多いと覚えておくと良いでしょう。

「国士無双」を分解してみよう

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「国士無双」という言葉の中にある、「国士」と「無双」とは、そもそもどういう意味でしょうか。なんとなく想像はつくものの、はっきりとはわからないという人も多いでしょう。もちろん「国士」も「無双」も意味もなく用いられているわけではなく、意味が合って使用されている言葉です。分解して一単語ごとに学ぶことで、理解をより深められます。

「国士」って何?

「国士」とは以下のような意味です。

1.国家のために身命をなげうって尽くす人物。憂国の士。
2.その国で特にすぐれた人物。

出典:Weblio辞書「国士 意味」

\次のページで「「無双」ってどういうこと?」を解説!/

「国士」とは本来2種類の意味があります。「その国の中で優れている」という意味と、「国に強い忠誠を誓う人物」という意味です。そして「国士無双」に当てはめた場合はどちらかというと「優れた人物」という意味合いがやや強いニュアンスとなります。

ただしその反面、祖国のことを平気で裏切るような人間に対しては、能力面で優れていても「国士無双」と表現するのは違和感があると思われやすいのもまた事実です。

「無双」ってどういうこと?

「無双」の意味は以下の通りです。

1.二つとないこと。並ぶものがないほどすぐれていること。無二。ぶそう。
2.衣服の表と裏を同一の布地で仕立てること。また、そのもの。夢想。
3.相撲で、相手の差し手を抱え込み、手を相手の内股または外股に当てて反対側からひねり倒す技。内無双と外無双がある。

出典:Weblio辞書「無双 意味」

「無双」という言葉には意味が3種類ありますが、「国士無双」という言葉に照らし合わせる場合は、読めばわかる通り1の「二つとないこと。並ぶものがないほどすぐれていること」という意味合いであるのは明らかです。「優れている」という部分は「国士」が持つ意味合いと共通していますが、「世に2つとないほど」という具体的な度合いを示しているのが「無双」という言葉になります。

「国士無双」が使用される場面とは?

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「国士無双」はどのような場面で使用されるのでしょうか。現代では「国士無双」が持つ「国の中の誰よりも優れる」という意味の部分はややおおげさと受け取られがちであり、優れた逸材に対しても「国士無双」という表現が使用される機会は減少傾向です。

それに引き換え、漫画やゲームといったメディア作品にはたびたび「国士無双」が使用されています。また、麻雀にも「国士無双」という言葉が用いられており、世代によってはこちらの方が主流です。どのように扱われているのかを以下で解説していきます。

麻雀における「国士無双」

麻雀のルールを簡単に説明すると、ポーカーと似た性質を持っており、自分の持つ「牌」と呼ばれる駒のようなものを揃えて点数を貰うゲームです。揃え方(役と呼ばれます)にはさまざまなものがあり、その内の一つに「国士無双」という名前がついています。

今時のゲームやアニメは知らないけれど、麻雀は知っているという人も居り、そのような人たちにとっては「国士無双」は耳慣れたゲーム用語です。

\次のページで「その他メディアにおける「国士無双」」を解説!/

その他メディアにおける「国士無双」

「国士無双」は漫画やゲーム、アニメなどのメディア作品に多く使用されます。日常で使用するにはやや誇張され気味とみなされる「国士無双」ですが、創作の世界においては強い意味を持つ言葉はとても分かりやすいエッセンスとなり、おおいに働いてくれるためです。そのため、普段使いするにはやりにくい言葉ながら、知名度は低くない言葉と言えます。

「国士無双」の類義語は?

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「国士無双」の類義語は、「唯一無二/強烈無比/古今無双/天下無双」などです。「国士無双」そのものが複数の意味を織り込んだ言葉であるため、類義語の多い言葉ながら全く同様の意味を持つ言葉もありません。その中で上記の言葉は比較的近い意味合いです。「比べようもない/無二の英雄」など文章での置き換えも含めると、類義語の幅はもう少し広がります。

注意!類義語としての「役満」

「国士無双」の類義語で検索をかけると、しばしば「十三幺九/役満」などといった言葉が出てきます。しかしこれは麻雀用語としての類義語であり、本来の「国士無双」の類義語というわけではありません。もしも麻雀の話をする上で「国士無双」を使用するのであれば置き換え可能ですが、通常通り「国士無双」を使用する際は上記の言葉は類義語になり得ません。注意してください。

時代に沿わなくなった「国士無双」

「国士無双」は比較的古い言葉であり、戦などの際には敵を撃破できるような強い力を持った者、優れた頭脳で敵を倒す作戦を考えられるような者が「国士無双」と呼ばれるにふさわしい存在でした。しかし、現代ではトップ中のトップは誰であるのか調べればすぐにわかる他、日本ではそもそも誰かを戦って負かしたりということそのものが少なくなってきて、戦いは創作の中のことに変化してきました。「国士無双」が日常からメディアの世界に居場所を移しつつあるのは、ある意味では自然の成り行きと言えるでしょう。

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国語言葉の意味

使用頻度は低く知名度は高い「国士無双」意味・使い方・類義語を言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「国士無双」について解説する。「国士無双」ははっきり言ってあまり日常的な意味合いじゃない。昔は日常で使われることもあったかもしれないが、生活が変わるにつれて段々と使用されなくなっていき、今はもうゲームや漫画なんかのメディア作品に登場するのみになりつつあるな。しかし、それだけに学ぶ機会は少ない。この記事を機に学習してくれ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「国士無双」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「国士無双」の意味とは?

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「国士無双」の意味は以下の通りです。

国士無双とは、その国の中で並び立つものが居ない優れた人物のこと。

出典:Weblio辞書「国士無双 意味」

読み方は「こくしむそう」となります。元々は中国で生まれた言葉であり、同格の者がいないほどの傑出した逸材という意味です。現代で使用するとやや誇張したような、大げさな表現という印象を与えることもあります。

また、あくまで対象は人です。人に対してどのような人物かを説明する際に使用される言葉であり、打ち立てた功績や能力の高さに対して使用される言葉ではありません。注意してください。

「国士無双」の使い方

「国士無双」は以下のように使用します。

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