地学

我ら生物の時代?「古生代」を理系ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は古生代について解説していくぞ。

古生代は初めて目に見える生物が地球上を覆った時代だ。微生物は大量に存在していただろうが、大型の生物は古生代以前はほとんど存在していたなかったと思われる。生命豊かな時代である古生代について学んでみよう。

今回は物理学科出身のライター・トオルさんと解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

tohru123

ライター/トオル

物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。

古生代について

image by iStockphoto

約5億4100万年前から約2億5190年前までは古生代と呼ばれる時代です。古生代は古いほうから順に、カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ペルム紀に区分されています。約5億4100万年前から、つまり古生代から現在までは顕生代ともよばれ、その理由はこの時代から生物の化石が大量に出土するようになるからです。

それまでも地球には主に微生物が大量に存在していたようですが、この頃から生物の化石が急に増えるのは、生物が有機物の軟組織に加え殻や骨、歯などの硬骨格を獲得したことが理由だと考えられます。これらは主に鉱物からなり、腐敗して分解されやすい有機物に比べずっと保存されやすいものです。そのため多量の化石が出土するようになりました。

ずっと前から地球は生命の星だったと考えられますが、古生代からは確実に生命の星と言えます。そのような生命の時代となった古生代について見ていきましょう。上記の画像はカンブリア紀の海中の想像図です。

カンブリア大爆発

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Apokryltaros投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

古生代の最初の時代はカンブリア紀と呼ばれる時代で、約5億4100万約4億8500万年前の期間です。カンブリア紀初期の地層からは微小骨格化石群という1ミリメートル程度の化石しか存在しないのですが、カンブリア紀中期になると突然動物の爆発的多様化が起こります。これがカンブリア大爆破と呼ばれる現象です。カンブリア大爆発が最初に発見されたのはロッキー山脈のバージェス山にある約5億5000年前のバージェス頁岩になります。

動物界は海面動物門、刺胞動物門などいくつかの門に分類されていますが、このバージェス頁岩の化石群を見ると現在ほとんど見られるほとんどすべての門が、このとき突然出現したように見えるのです。他にも妙な生物がたくさん存在しています。見つかっているのはエビのような体長2メートルにもなるアノマロカリス、三葉虫、5つの眼をもつオパピニア、棘のよなものが並んでいるハルキゲニアなどです。

その後、バージェス動物群と似たような動物群が中国やグリーンランドの同時代の地層からも見つかっています。つまりこれらの動物は地球上に広く分布していたようなのです。ただ、カンブリア爆発の原因については色々な説が出されていますが、まだまったくわかっていません。上記はハルキゲニアの復元予想図です。

オルドビス紀の生物多様化と絶滅

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Wilson44691投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

カンブリア紀の次はオルドビス紀で、約4億8500万年前から約4億5000万年前までの時代です。オルドビス紀はカンブリア紀に出現した海生動物がさらに爆発的に多様化しました。これをオルドビス紀の爆発的生物多様化イベントと呼びます。出現したのはオウムガイなどの軟体動物、三葉虫などの節足動物、筆石などの半索動物、ウミユリなどの棘皮動物、床板サンゴなどの刺胞動物などです。

オルドビス紀後期には顎をもつ顎口類が出現しました。顎口類には、無顎類除いた脊椎動物、つまり魚類や鳥類、哺乳類が含まれます。無顎類は古生代には大いに繁栄していたのですが、デボン紀末にはほとんど絶滅し、現在では円口類しか残っていないようです。オルドビス紀に大繁栄していた動物は4億4000万年前にその多くが絶滅していまいます。

生物の大量絶滅は顕生代に5回確認されていて、このオルドビス紀末の大量絶滅は最初の大量絶滅です。この大量絶滅で、三葉虫や筆石類、腕足動物、二枚貝、棘皮動物、コケムシ類などの大半が絶滅したとされています。当時生息していた海生動物のうち、種のレベルで85パーセント、属のレベルで45-60パーセントが絶滅したようです。ちなみに、原因はよくわかっていません。

上記の画像はオルドビス紀の筆石の化石画像です。

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いよいよ我らが生物の時代がやってきた。もっとも微生物はとっくに地球を制覇していたと思われるが、我々にとってはやはり目に見える生物のほうが生物という気がする。カンブリア大爆発はとても興味深い現象だ。変な生物が多い古生物の中でもカンブリア紀の動物は特別変だと思う。生きている姿を是非見てみたかった。

植物の陸上進出

陸上植物は緑藻類から進化したと考えられています。陸上植物最古の証拠は約4億7500万年前のオルドビス紀の地層から発見された、胞子を作る植物片の化石です。おそらくコケ植物のコケ類に似たものであったと考えられています。陸上に進出した植物は、最初は根のない高さ数センチメートルの小さなものでしたが、シダ植物へと進化し、シルル紀(約4億4400万~約4億1900万年前)からデボン紀(約4億1900万年前~約3億5900万年前)にかけて繁栄しました。

デボン紀後期には最古の樹木とされる前裸子植物アーケオプテリスが30メートルに達し、河川沿いに最古の森林を形成したようです。さらにシダ植物のヒカゲノカズラ類が繁栄し、とくにリンボクは高さが40メートルにもなりました。ヒカゲノカズラ類は、デボン紀後期から石炭紀にかけて繁栄し、この時代を大森林時代とも呼びます。上記はリンボクの化石画像です。

石炭の形成と酸素濃度の上昇

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Didier Descouens投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

古生代の後期である石炭紀(約3億5900万~約2億9900万年前)になると、現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、南極大陸、オーストラリア大陸などが集まり超大陸であるゴンドワナ大陸が形成され始めます。大陸には低湿地帯が広がり、巨大なシダ植物の大森林が発達しました。シダ植物の倒木は低湿地帯に埋没し、大量の石炭が形成されます。それが石炭紀という名前の由来です。

樹木は枯れると分解されますが、分解をするのは木材腐朽菌と呼ばれる菌類になります。樹木の大型化に欠かせない植物体支持に関わる有機化合物は進化においては新しい有機化合物で、特に難分解性のリグニンを唯一分解することができる白色腐朽菌は、当時まだ存在していませんでした。このことが石炭紀に大量に有機物が埋没したことの原因であると考えられています。

大量の有機物が埋没したため、光合成によって生産された酸素の多くが消費されずに大量に大気に放出されました。この結果、大気中の酸素濃度は現在の約21パーセントより遥かに高い、約35パーセントまで上昇していたと考えられています。石炭紀には、昆虫類に代表される節足動物が巨大化したのですが、これはこの酸素濃度の上昇が原因であるようです。

上記の画像は最長70センチメートルにもなるメガネウラの化石画像になります。

史上最大の絶滅

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Wilson44691投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

石炭紀の次の時代はペルム紀(約2億9900万~約2億5200万年前)です。ペルム紀には巨大な両生類や爬虫類が繁栄したのですが、ペルム紀末の約2億5200万年前に、史上最大と言われる生物の大量絶滅が生じました。海洋に生息していた無脊椎動物は、種のレベルで96パーセント、属のレベルで83パーセント、科のレベルで57パーセントも絶滅したと推定されています。

古生代に大繁栄していた、三葉虫、古生代型サンゴ、フズリナなどすべて絶滅してしまいました。海洋脊椎動物でも科のレベルで87パーセントが絶滅したと推定されています。この少なくとも顕生代では最大の絶滅の原因は、残念ながらよくわかっていません。ただ同時期にシベリアで起こった、洪水玄武岩と呼ばれる大量の溶岩を噴出する大規模な噴火現象との関係が注目されています。

いずれにしろ、この大量絶滅によって古生代は終わりを迎えました。時代は中生代に代わります。上記の画像は古生代すべての時代に繁栄し、古生代とともに絶滅した三葉虫の化石画像です。

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ペルム紀の終わりでは海洋生物のほとんが絶滅してしまったようだ。陸上生物にも大きな被害があったと考えられている。これほどの大量絶滅が起こったからには、地球規模の大きな環境変動が起こったはずだ。はやく原因を知りたいものだ。

素晴らしく多様な生物

素晴らしく多様な生物

image by Study-Z編集部

初めに言ったように、古生代からは生物の化石が大量に出土し始めます。そのため古生代以降の時代は、それぞれの時代の生物についてのある程度の研究が可能です。現在存在する生物を色々みていても、その多様性には驚かされるばかりですが、それに過去の生物まで含めるとその多様性は驚くべきレベルにまで達します。

ある生物学者が生物とは結局なんでもありなのだと言っていましたが、進化は生物をどのような形態にでも導くのかもしれません。カンブリア紀に限らずとも古生物の研究が進めば、きっとまだまだ我々が知らない驚異的な生物が発見されるはずです。

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