この記事では、対比や逆接を表す接続詞(接続語)の意味や用法について、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

対比や逆接を表す接続詞(接続語)10種の意味と使い方

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接続詞は、複数の文章や節をつなぐ役割を果たし、適切に使用することでその文章の意味をより正確に伝えることができる品詞です。

日本語における接続詞の種類には、「順接、逆接、並列、添加、対比、選択、説明、補足、転換」があります。

その中から「対比」・「逆接」を表す接続詞を10種挙げて、意味や使い方について説明していきましょう。

日本語の「接続詞」の定義は、英語などの外国語とは一致しません。また、どの範囲までを「接続詞」と呼ぶかは曖昧になっているようです。

ここで紹介する接続詞の中には、副詞ではないかと思われるものも含んでいますが、広い意味での「接続詞(接続語)」として挙げています。

#1 「その反面」

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「(その)反面」には「反対の面」という意味があり、直前の文や節に対して「反対の面から見たこと」を表す時に使用する言葉です。

たとえば以下のように、人の性格や特徴について反対の側面があることを表現する時に副詞的に用いることができます。

「彼は頭が良くクールだ。その反面熱中した趣味を持っている」

「彼は温厚な性格だ。その反面怒ると怖い」

「彼女は気が強い反面いざという時には臆病だ」

#2 「にもかかわらず」

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「にもかかわらず(にも拘らず)」は、直前に置かれた文の内容からみて反対の内容を後に続けて述べる場合に使います。

例文は、次の通りです。

「この店の料理はお世辞にも美味いとはいえない。にもかかわらず値段は高い」

「彼女は仕事ができない。にもかかわらず高給取りだ」

「彼は体が弱い。にもかかわらず人一倍よく働く」

「彼の人生は苦境の連続だったが、それにもかかわらずめげることはなかった」

#3 「とはいうものの」「とはいえ」

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「とはいうものの」や「とはいえ」は、その直前で事実と容認して述べたことに対して反対のことを述べる場合に使用します。

\次のページで「「それでいて」」を解説!/

「ここのところ体調がよくない。とはいえ休んでばかりもいられない」

「その店の料理は絶品だ。とはいえしょっちゅう通うわけにはいかない」

「今度の職場は以前と比べて通勤時間が半分になったとはいうものの、1時間はかかる」

「講師が病気でセミナーが中止になったのは、仕方ないとはいえ残念だ」

#4 「それでいて」

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「それでいて」は、直前の文章や語句から期待されることと反する内容のことを述べる時に使用します。

「彼は物腰が柔らかい。それでいて自分の意見ははっきりと主張する」

「彼は仕事に妥協しないが、それでいて部下に対して寛容だ」

「彼は勉強熱心ではないが、それでいて成績は常にトップを維持している」

「彼女はいつも元気いっぱいで活発だが、それでいて目立とうとはせず控えめだ」

#5 「一方」

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「一方(いっぽう)」にはいくつかの使い方がありますが、接続詞として使用する場合には「それまでの話題に関連した別の話題に転じる」時に用います。

「その地域では数年ぶりの積雪となった。一方、各交通機関では雪による遅延でホームに人があふれていた」

「兄は秀才でエリートコースに進んだ。一方、弟はスポーツ万能でプロのサッカー選手になった」

「彼は力が強くて頼もしい一方、傷つきやすい繊細な面もある」

「都市部に人が集まる一方、田舎では過疎化が進んでいる」

#6 「もしくは」

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「もしくは」は、「前後のどちらか一方を選択する」ときに用いる言葉で、次のような使い方をします。

\次のページで「「あるいは」」を解説!/

「当選者には、図書カード1,000円分もしくは当施設の無料招待券を差し上げます」

「面談は電話もしくはスカイプで実施します」

「その場合、運動会は中止もしくは延期となります」

「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処する」

#7 「あるいは」

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「あるいは」は、「前者と後者のうちのどちらか」という関係にあるものをつなぐ言葉です。

例文は、次のようになります。

「会場へは、バスあるいは地下鉄でお越しください」

「小麦粉あるいは米粉を使用します」

「ご本人あるいはその代理人であることを確認させていただきます」

#8 「それなのに」

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「それなのに」は、「前文から期待されることとは違ったこと」を後で述べるときに使う接続詞です。

次のような使い方をします。

「彼女は裕福で家族にも恵まれている。それなのに不幸だと言う」

「外はいい天気だ。それなのにうちの子は家でゲームばかりしている」

「彼はその女の子のことが好きだ。それなのに顔を見ると意地悪なことを言ってしまう」

#9 「そのくせ」

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「そのくせ」は、「前文とは相反する事柄を後に述べる」場合に、次のように使います。

\次のページで「「それどころか」」を解説!/

「彼女は人に厳しい。そのくせ自分には甘い」

「彼はアルコールに弱くてすぐ真っ赤になる。そのくせ日本酒を飲みたがる」

#10 「それどころか」

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「それどころか」は、「前文から大きく外れたことを述べる」ときに使います。

例文は、次の通りです。

「彼女に初めて会ったが、怖い人ではなかった。それどころか、とても優しくて思いやりのある人だった」

「半年間ダイエットしたが、やせなかった。それどころか太ってしまった」

接続詞(接続語)を適切に使いこなそう

以上、逆接・対比を表す接続詞(接続語)の意味や使い方を10種紹介しました。

このような接続詞を、前後にある文章の内容に応じて適切に使用すると、文意が伝わりやすくなります。接続詞の使い方に迷った時には参考にしてみてください。

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「対比・逆接を表す接続詞(接続語)10種」それぞれの意味と使い方は?現役ライターがサクッとわかりやすく解説

この記事では、対比や逆接を表す接続詞(接続語)の意味や用法について、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

対比や逆接を表す接続詞(接続語)10種の意味と使い方

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接続詞は、複数の文章や節をつなぐ役割を果たし、適切に使用することでその文章の意味をより正確に伝えることができる品詞です。

日本語における接続詞の種類には、「順接、逆接、並列、添加、対比、選択、説明、補足、転換」があります。

その中から「対比」・「逆接」を表す接続詞を10種挙げて、意味や使い方について説明していきましょう。

日本語の「接続詞」の定義は、英語などの外国語とは一致しません。また、どの範囲までを「接続詞」と呼ぶかは曖昧になっているようです。

ここで紹介する接続詞の中には、副詞ではないかと思われるものも含んでいますが、広い意味での「接続詞(接続語)」として挙げています。

#1 「その反面」

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「(その)反面」には「反対の面」という意味があり、直前の文や節に対して「反対の面から見たこと」を表す時に使用する言葉です。

たとえば以下のように、人の性格や特徴について反対の側面があることを表現する時に副詞的に用いることができます。

「彼は頭が良くクールだ。その反面熱中した趣味を持っている」

「彼は温厚な性格だ。その反面怒ると怖い」

「彼女は気が強い反面いざという時には臆病だ」

#2 「にもかかわらず」

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「にもかかわらず(にも拘らず)」は、直前に置かれた文の内容からみて反対の内容を後に続けて述べる場合に使います。

例文は、次の通りです。

「この店の料理はお世辞にも美味いとはいえない。にもかかわらず値段は高い」

「彼女は仕事ができない。にもかかわらず高給取りだ」

「彼は体が弱い。にもかかわらず人一倍よく働く」

「彼の人生は苦境の連続だったが、それにもかかわらずめげることはなかった」

#3 「とはいうものの」「とはいえ」

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「とはいうものの」や「とはいえ」は、その直前で事実と容認して述べたことに対して反対のことを述べる場合に使用します。

\次のページで「「それでいて」」を解説!/

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