化学理科生活と物質

「一晩経ったカレー」はおいしい?その理由を化学的に元塾講師がわかりやすく解説

1-2.味の決め手はたくさんのスパイス

image by iStockphoto

とはいっても味を大きく左右するのは具材とスパイスです。カレーにはたくさんのスパイスが使われていて、それらの組み合わせによって様々な味の変化を楽しめるのが魅力ですよね。

しかし家庭でカレーを作るためのスパイスを常備している家は稀でしょう。市販のルーを使ったり、そこに少しのアレンジを加える程度のところが多そうですね。だからといって手抜きなんて言わないでくださいね。せっかく美味しくて便利なものがあるのですから使わなきゃ損!というものです。

2.一晩寝かせたカレーが美味しいのは本当?

image by iStockphoto

作りすぎてしまったのか二日連続でカレーということは珍しくないでしょう。「また?」と思いつつ食べたものの、「昨日より美味しいかも!」と思った経験はありますか?それ、気のせいではないんです。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

よくテレビでも「3日間煮込んだ特製カレーがうちの名物で…」なんて聞いたことがあるだろう。それだけ手間をかけてまで煮込む理由は何なのか、考えてみよう。

2-1.味が馴染んで調和される

そもそもカレーに含まれるスパイス1つ1つは個性が強いものです。それらが時間をかけて馴染んでいくことで味わいがまろやかになるでしょう。調理前後での温度変化、再加熱による温度変化によって、うま味が溶けて混ざり合うのも美味しさの理由です。全体の味のバランスが取れて熟成されたカレーになるということですね。

2-2.コクが生まれて美味しさアップ

2-2.コクが生まれて美味しさアップ

image by Study-Z編集部

食べ物の美味しさや香りを決めるのは糖やタンパク質、アミノ酸といった物質です。これらが混ざり合い、互いに変化していくことで新たな味となります。カレーに用いる野菜の種類は少なくても、スパイスと混ざり合うことで相乗効果が生まれ、深みのある味・コクとなるのです。材料によって、作る人によってカレーの味が異なるのは当然ですよね。

2-3.ジャガイモが溶けてまろやかに

2日目のカレーが美味しいといわれる大きな理由は上記2つではありますが、もう1つ追記しておきましょう。

カレーの具として欠かせないじゃがいもは型崩れしやすい野菜ですよね。長時間煮込んだり、混ぜすぎたりすることでどんどん溶けていってしまいます。具としての存在感がなくなってしまう一方で、カレーの中に溶け込み、よりまろやかな味にしてくれるという効果があるのです。デンプン質が溶けることで甘みを増すので、甘口カレーが好きという人はあえてじゃがいもを溶かしてみるのもいいかもしれませんね。

\次のページで「2-4.熟成が不向きなカレーもある」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: