いつもとは違って、スーツにネクタイなんてしているけれど、恥ずかしくてまさに「馬子にも衣裳」だね。
うちの息子は結婚式なので精一杯着飾っておりますが、まあ、「馬子にも衣裳」とお笑いくださいませ。
「馬子にも衣裳」などと言われないよう、普段からきちんとした身なりをしておくんですよ。
「衣裳」は、何か大事なことがあるときに着るものですから、「普段着」としては粗末なものを着ていても、それこそ結婚式などではそれにふさわしい衣裳を着るもですね。卒業式卒業式もそうですし、最近ではパーティーなどで「ドレスコード」が指定されることもありますね。そのような機会には、「普段着」とは違う「晴れ着」を着るのが日本の古くからの習慣でもあったのですよ。そういうときに「馬子にも衣裳」と謙遜するのもいいでしょうね。
「馬子にも衣裳」の類義語は?違いは?
「馬子にも衣裳」の類義語として、「猿にも衣裳」とか「鬼瓦にも化粧」という慣用句がありますね。「猿にも衣裳」は、そもそも人間ではない猿が出てきますから、その語源や意味などは説明する必要はないと思いますので、「鬼瓦にも化粧」について考えてみますね。
「鬼瓦にも化粧」
「鬼瓦」が何なのか知らない人もいるかと思いますが、その漢字からして、何か恐ろしいものを想像しますね。鬼のように怖いものでも、化粧すれば綺麗になる、という意味だとといことはわかりますよね。今は瓦葺きの屋根が少なくなってしまいましたが、「鬼瓦」というのは屋根の正面にある鬼の顔をした瓦なのですよ。外から侵入使用する魔物を、鬼瓦が防いでくれているので、鬼瓦そのものは悪いものではありません。しかし、魔物を退散させるのですから、怖い顔をしてにらみつけているわけですね。
「鬼瓦にも化粧」なんて言うと失礼かもしれないけど、今日は本当に綺麗だよ。
「馬子にも衣裳」の対義語は?
「馬子にも衣裳」の対義語として、「公家にも襤褸」ということわざが考えられますね。身分の低い「馬子」に対して身分の高い「公家(くげ)」、美しい「衣裳」に対してボロのような「襤褸(つづれ)」と、言葉がそれぞれ対応関係にありますから、どんなに身分の高い人でも、それにふさわしい格好をしていないといけません、という意味になりますね。また、「衣ばかりで和尚はできぬ」というのもありますから、少し考えてみることにしましょう。
\次のページで「「衣ばかりで和尚はできぬ」」を解説!/