今日は動物の分類のひとつ「恒温動物(こうおんどうぶつ)」について学んでいきます。

動物の分類といえば「哺乳類」「鳥類」「魚類」「両生類」「爬虫類」「甲殻類」といった分類を思い浮かべる人が多いでしょう。さらに動物には「変温動物」「恒温動物」という分類もある。恒温とは温度が一定という意味です。そしてその対語である変温は文字通り温度が変化する。もっと詳しく知りたい奴は検索するか事典で調べてみてくれ。

恒温動物とはどんな動物か、どんな種類の動物が分類されているのかを変温動物の亀と恒温動物のハムスターを飼うリケジョ、たかはしふみかが解説していきます。

ライター/たかはし ふみか

最近職場で動物園での勤務を進められている、動物と子供になつかれやすいリケジョ。生き物が好きで幼稚園の頃から亀とハムスターを飼っている。亀が餌を食べなくなると冬を感じる国立大学化学系院卒。

動物の分類

動物の分類

image by Study-Z編集部

最初に簡単に動物の分類を確認していきましょう。

動物はまず脊椎動物(セキツイ動物)と無脊椎動物(ムセキツイ動物)に分けられます。脊椎とは背骨のことです。つまり動物は背骨を持つグループと持たないグループに分けられるのですね。

脊椎動物は哺乳類鳥類爬虫類両生類魚類がいます。ヒトを含め身近な動物は脊椎動物が多いですね。一方、脊椎動物はさらに軟体動物と節足動物などに分けられます。節足動物とは昆虫類、甲殻類、クモ類、多足類などがいますが、こちらはまた別の機会にご紹介しましょう。

ヒトもネズミも一緒、哺乳類

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ヒトや犬、猫、ネズミ、ウサギ、シマリスなどの動物は哺乳類に分類されます。哺乳類の特徴はお母さんのおなかの中で赤ちゃんを育てる胎生であること、そして母乳によって育てられることです。

この哺乳類の例外として知られているのがカモノハシハリモグラ。カモノハシやハリモグラは卵を産んで孵化して赤ちゃんが生まれます。その赤ちゃんはお母さんの母乳で育つので哺乳類に分類されているのです。ただし、乳首はなくお腹のあたりにある乳腺から母乳を与えてうます。ちなみにこのような哺乳類は単孔類という、卵を産む穴と排尿する穴が一緒になっていることも特徴です。

また、ちょっと意外な気もしますが鰭(ひれ)を持って泳ぐイルカ、クジラ、アザラシ、アシカ、ジュゴンなども哺乳類に分類されています。

大空をはばたく鳥類

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鳥類の特徴は体が毛で覆われていて翼と嘴(くちばし)を持っていること、卵生であることが挙げられます。ペットとして人気なオウムやインコ、街中で見かける鳩やカラス、スズメなど鳥は身近な動物ですね。鳥といえば空を自由に飛ぶ、というイメージですがペンギンやニワトリなど飛ばない鳥もいます。

意外なことに最近の研究では鳥類の祖先は恐竜という説が有力になっているのです。見かけからは爬虫類のイメージの恐竜ですが実は体毛があった、という説も出てきています。

好みがわかれる爬虫類

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亀、ワニ、トカゲ、ヘビなどが分類されている爬虫類。ペットとして飼う人もいるものの、独特な見かけが苦手な人も多いでしょう。ちなみに爬虫類の爬とは地を這う、という意味です。

その多くが陸上で生活し、肺呼吸をしています。そしてその体は固い鱗(うろこ)で覆われているのです。

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大人と子供で暮らす場所が違う両生類

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子供の時は水の中で暮らし、大人になったら地上でも暮らすことのできる両生類。子ども(幼生)から大人(成体)へと成長すると外見や体の機能が大きく変化してしまうのです。例えば子どもの頃は水の中で鰓(えら)呼吸をしていますが、大人になると肺呼吸になります。

その見かけから爬虫類と混乱しやすい両生類。イモリサンショウウオカエルなどが両生類に分類されています。

食卓に欠かせない魚類

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一生を水の中で暮らす魚。水中で暮らし、鰓を使って水中の溶存酸素を取り入れて呼吸しているのが特徴です。多くのものは表面をで覆われています。

恒温動物の特徴は?

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恒温動物の特徴はどんなものでしょうか?例外の生き物もいますが、恒温動物は次の特徴を持っています。

・体が毛でおおわれている

・皮膚の下に厚い脂肪がある

この特徴からわかる通り、恒温動物には「哺乳類」と「鳥類」が当てはまります。一方、「爬虫類」「両生類」「魚類」そして「無脊椎動物」は変温動物になるのです。哺乳類と鳥類のみが恒温動物になるのですね。確かに犬やスズメは暖かそうな毛で覆われていますが、亀やカエルには毛がありません。恒温動物は体内で熱を作ることができ、体温を一定に保ています。

恒温動物は定温動物、温血動物という呼び方もあるのです。恒温動物と変温動物を比較すると以下のような違いがあるので確認して下さい。

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恒温動物は暑いときは汗をかいたり呼吸によって体温を下げ、寒いときは皮膚の毛穴を閉じて熱を逃がさないことで体温を一方に保っています。

一方、環境の変化に強い変温動物。体温を調節せず、周囲に合わせて体温が変わり冷血動物とも呼ばれています。ただし、最近では恒温動物と変温動物という区別の仕方だけではできなくなってきているのです。

哺乳類と鳥類以外でもウミガメなど熱を作って体温調節する生き物が発見され、逆にナマケモノやカッコウは外気温によって体温が変化します。一般的な分類としては哺乳類・鳥類が恒温動物でそれ以外が変温動物とされていますが、例外もいて全ての哺乳類・鳥類が恒温動物ではないことに注意してください。

恒温動物、変温動物と冬眠

冬に寒くなると冬眠する動物はたくさんいます。ただし、冬眠の目的などは恒温動物と変温動物で異なるのです。

冬場が餌が少なくなるため、餌が見つかりやすくなるまで活動を控えるのが恒温動物の冬眠クマやリス事前に栄養をしっかりと貯めます。そして冬眠中は体温を低下させ、体温や心拍数を下げて低エネルギーで過ごすのです。

一方の変温動物は温度を一定に保てず周囲の環境に合わせて上下します。そのため周囲が低温となると体温も下がり、仮死状態となるのです。ちなみに周囲の温度によって体温が変わる変温動物は基本的に温かい地域で暮らしています。

恒温動物は自分の意思で用意したうえで冬眠しますが、変温動物は強制的に仮死状態となって冬眠するのです。

恒温動物と法則

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恒温動物は寒い地方で大きく、暖かい地方では小さくなります。これは「ベルクマンの法則」という法則です。例えば熊の場合、本州より南にいるツキノワグマ(130~200㎝)よりも北海道にいるヒグマ(150~300㎝)、ヒグマよりも北極にいるホッキョクグマ(200~30㎝)の方が大きくなっています。これは体が大きいと体内で多くの熱を作ることができ、表面積が小さくて逃げづらいからです。

また寒い地方に住む恒温動物は、熱を逃がさないために耳やしっぽなどの出っ張りが小さくなっています。これを「アレンの法則」というのです。

あわせて「ベルクマン・アレンの法則」とも言います。

恒温動物の特徴

哺乳類と鳥類は恒温動物に分類されています。ただ、最近では例外の動物も多くいるため「内温性」「外温性」「異温性」という呼び方もされているのです。

恒温動物と変温動物にはその体の機能に様々な違いが見られるので確認してください。また恒温動物も変温動物も冬眠しますがその目的は異なります。

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理科生物生物の分類・進化

3分で簡単「恒温動物」!元家庭教師がわかりやすく解説

今日は動物の分類のひとつ「恒温動物(こうおんどうぶつ)」について学んでいきます。

動物の分類といえば「哺乳類」「鳥類」「魚類」「両生類」「爬虫類」「甲殻類」といった分類を思い浮かべる人が多いでしょう。さらに動物には「変温動物」「恒温動物」という分類もある。恒温とは温度が一定という意味です。そしてその対語である変温は文字通り温度が変化する。もっと詳しく知りたい奴は検索するか事典で調べてみてくれ。

恒温動物とはどんな動物か、どんな種類の動物が分類されているのかを変温動物の亀と恒温動物のハムスターを飼うリケジョ、たかはしふみかが解説していきます。

ライター/たかはし ふみか

最近職場で動物園での勤務を進められている、動物と子供になつかれやすいリケジョ。生き物が好きで幼稚園の頃から亀とハムスターを飼っている。亀が餌を食べなくなると冬を感じる国立大学化学系院卒。

動物の分類

動物の分類

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最初に簡単に動物の分類を確認していきましょう。

動物はまず脊椎動物(セキツイ動物)と無脊椎動物(ムセキツイ動物)に分けられます。脊椎とは背骨のことです。つまり動物は背骨を持つグループと持たないグループに分けられるのですね。

脊椎動物は哺乳類鳥類爬虫類両生類魚類がいます。ヒトを含め身近な動物は脊椎動物が多いですね。一方、脊椎動物はさらに軟体動物と節足動物などに分けられます。節足動物とは昆虫類、甲殻類、クモ類、多足類などがいますが、こちらはまた別の機会にご紹介しましょう。

ヒトもネズミも一緒、哺乳類

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ヒトや犬、猫、ネズミ、ウサギ、シマリスなどの動物は哺乳類に分類されます。哺乳類の特徴はお母さんのおなかの中で赤ちゃんを育てる胎生であること、そして母乳によって育てられることです。

この哺乳類の例外として知られているのがカモノハシハリモグラ。カモノハシやハリモグラは卵を産んで孵化して赤ちゃんが生まれます。その赤ちゃんはお母さんの母乳で育つので哺乳類に分類されているのです。ただし、乳首はなくお腹のあたりにある乳腺から母乳を与えてうます。ちなみにこのような哺乳類は単孔類という、卵を産む穴と排尿する穴が一緒になっていることも特徴です。

また、ちょっと意外な気もしますが鰭(ひれ)を持って泳ぐイルカ、クジラ、アザラシ、アシカ、ジュゴンなども哺乳類に分類されています。

大空をはばたく鳥類

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鳥類の特徴は体が毛で覆われていて翼と嘴(くちばし)を持っていること、卵生であることが挙げられます。ペットとして人気なオウムやインコ、街中で見かける鳩やカラス、スズメなど鳥は身近な動物ですね。鳥といえば空を自由に飛ぶ、というイメージですがペンギンやニワトリなど飛ばない鳥もいます。

意外なことに最近の研究では鳥類の祖先は恐竜という説が有力になっているのです。見かけからは爬虫類のイメージの恐竜ですが実は体毛があった、という説も出てきています。

好みがわかれる爬虫類

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亀、ワニ、トカゲ、ヘビなどが分類されている爬虫類。ペットとして飼う人もいるものの、独特な見かけが苦手な人も多いでしょう。ちなみに爬虫類の爬とは地を這う、という意味です。

その多くが陸上で生活し、肺呼吸をしています。そしてその体は固い鱗(うろこ)で覆われているのです。

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