世界の工場と呼ばれ、産業革命で一挙に機械化し、大衆文化が花開いた時代
ヴィクトリア朝は、18歳で即位した若きヴィクトリア女王が80歳で亡くなるまでの時代で、産業革命が起こって機械が発明され、大量生産が開始、また蒸気機関車や蒸気船などで遠くへ市場を求めるようにと、世界規模の国に近代化。
イギリスは世界の工場と呼ばれ、太陽の沈まぬ国と繁栄を誇った反面、資本家と労働者、支配者と植民地などの搾取する側とされる側が分かれ、貧富の差が歴然とした社会に、またスモッグなどの公害や環境汚染に労働者問題と、いろいろな問題も起こったのでありました。
そういうわけで、ヴィクトリア朝といえば、山高帽にひげの夫と貞淑でつつましい妻と子だくさんで家庭的な一家という表面的なイメージの裏で、いろいろな問題が起こっているのに目を向けないで取り澄ましているという、偽善的な道徳基準の時代と言われるように。コナン・ドイルの作り出したシャーロック・ホームズやチャールズ・ディケンズの世界はまさにこの時代に生まれたということで、この時代背景をかみしめながら再読するのもいいかもしれないですね。



