この記事では「ローマは一日にして成らず」を勉強していきます。

有名なことわざ「ローマは一日にして成らず」の意味は、ずばり「大きい目標は長年努力をしないと成し遂げられない」です。この言葉を耳にしたことがあっても、意味をきちんと知らない人は意外と多いでしょう。

正しく自信を持って使えるように、「ローマは一日にして成らず」の使い方や言葉の意味について、現役日本語教師のスヨメナと一緒に解説していきます。

ライター/スヨメナ

現役日本語教師。対面、オンライン問わず、世界中の国の人に日本語を教えている。ブログでも相手の立場に立って考え、わかりやすく発信していく。

「ローマは一日にして成らず」の意味は?

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ここでは「ローマは一日にして成らず」の言葉の意味を覚えていきましょう。

「ローマは一日にして成らず」の意味は「地道な努力が大きな結果を得る」

まず辞書で意味を確認してみましょう。

1.大事業は長年の努力なしに成し遂げることはできないというたとえ。

出典:故事ことわざ辞典「ローマは一日にして成らず」

「ローマは一日にして成らず」は簡単に言い換えると「ローマは一日で完成したわけではない」です。転じて”大きなことを成し遂げるには長年の努力や時間がかかる”という意味になります。実はヨーロッパに伝わることわざです。

このローマは完成するのに何年かかった?

「ローマ」は現在のイタリアの首都「ローマ」ではありません。古代西洋最大の帝国といわれた「ローマ帝国」のことです。イタリア半島に誕生した都市国家が、徐々に広大な地域に発展して帝国となっていきます。築き上げるのに約700年の歳月がかかりました。こうした大事業の成功の裏には必ず積み重ねが大切だということがわかりますね。

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「ローマは一日にして成らず」の使い方は?

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「ローマは一日にして成らず」の意味が理解できたところで、使い方を解説します。

例文で「ローマは一日にして成らず」の使い方をチェック!

いくつか「ローマは一日にして成らず」を使った例文に触れていきましょう。

1.初めは失敗ばかりだったが、ローマは一日にして成らずと言うように、長年の努力が実を結び、今ではその店の経営を任されるまでに成長した。
2.健康のためにタバコを辞めたいのだが、ローマは一日にして成らず、長い道のりになりそうだ。
3.良い記事を書くのに近道などない。コツコツ時間をかけて書いていくしかない。まさにローマは一日にして成らずなのである。

1は、はじめのうちは失敗していたが、あきらめずに長い間努力を続けた結果、お店の経営を担うまでにレベルが上がったという意味です。2は、禁煙したいのだけど、簡単ではないということ。タバコを辞めるにも努力を続けることが重要です。3の場合、一つの良い記事が「ローマ」にあたります。文章はサクサクと文字が勝手に進んでいくわけではありません。少しずつ積み重ねて築き上げていくのです。

「ローマは一日にして成らず」と似たような意味を持つ言葉は?

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「ローマは一日にして成らず」と似たような言葉があるので、一緒に覚えてしまいましょう。

\次のページで「「千里の道も一歩から」:努力を重ね、大きな結果を得ること」を解説!/

「千里の道も一歩から」:努力を重ね、大きな結果を得ること

「千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)」は、”長い道のりを歩くにも第一歩から始まる”という意味。”大きな成果を得るには小さな努力を重ねること”のたとえです。

「彼がスピーチ大会で優勝を果たした理由の一つは、毎日仕事終わりに練習を欠かさなかったことがある。千里の道も一歩からを体現したのだ」のような使い方があります。重ねた努力が、大きな結果を生んだのですね。

「塵も積もれば山となる」:何事も継続すれば大きな成果を生むこと

「塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)」は、”塵のように小さなものでも、時間をかけて積み上げていけば山のようになる”の意味。”何事も継続すれば思いがけない大きな成果につながる”のたとえです。この言葉はポジティブじゃない場面でも使えます。

たとえば「常習的なお酒の飲みすぎは、塵も積もれば山となって、さまざまな病気の引き金になる」です。毎日の飲酒が大きな病気につながる恐れがあるという意味になります。お酒は楽しいですがリスクもあるので、羽目を外さないようほどほどに付き合いましょう。

「一朝一夕」:わずかな時間、非常に短い期間

「一朝一夕(いっちょういっせき)」は”非常に短い期間”のことです。「一朝一夕にはいかない」のような使い方があり、この場合”わずかな時間では成し得ない”の意味になります。

たとえば「どんな美味しいワインでも、一朝一夕にはいかない」です。ワインはぶどうを収穫してから、発酵、樽に詰めて熟成。長い期間をかけて出来上がりますね。一朝一夕で作れるものではないのです。

「ローマは一日にして成らず」と反対の意味を持つ言葉は?

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「ローマは一日にして成らず」の反対の意味を持つ言葉は何があるのでしょうか。いくつか見ていきましょう。

「思い立ったが吉日」:思いついたときに取りかかるのが良い

「思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)」は、”何かを思いついたら、そのときすぐに取りかかったほうが良い”という意味です。たとえば「思い立ったが吉日だ。簿記検定試験に今から申し込もう」であれば、今ひらめいたタイミングで、試験に申し込むのが良いだろうということになります。「吉日」は縁起が良い日のこと。

「栴檀は双葉より芳し」:大成する人は最初から優れていること

「栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」は、”大成する人は、子どもの頃から人よりも優れたところがあること”の意味です。幼少期からその道の能力の片鱗が表れているのでしょう。最初から優れているのです。

たとえば「栴檀は双葉より芳しというが、彼女の外すことのない音感や伸びやかで美しい歌声は幼いころから抜きん出ていた。今や歌の先生として活躍している」のような使い方ができます。

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「鉄は熱いうちに打て」:時機を逃さず実行する

「鉄は熱いうちに打て(てつはあるいうちにうて)」は、”チャンスを逃さず実行する”の意味です。たとえば「気になる相手から連絡があったから、次会うときに告白しよう。鉄は熱いうちに打ったほうがいい」であれば、相手から好意があるうちに気持ちを伝えるべきだということになります。

「ローマは一日にして成らず」の意味を理解して正しく使ってみよう!

この記事では「ローマは一日にして成らず」の意味や使い方・類語・対義語などを説明しました。「ローマは一日にして成らず」は、ローマ帝国は一日で完成したわけではないことから”大きなことを成し遂げるには長年の努力や時間がかかる”という意味のことわざでした。

全てに通じることですが、一つの目標を達成するためには辛抱強く努力を重ねることが大事です。その先にある幸せを信じて”ローマは一日にして成らず精神”でがんばりましょう。

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何日で完成?「ローマは一日にして成らず」の正しい意味や使い方・類語など現役日本語教師がわかりやすく解説

この記事では「ローマは一日にして成らず」を勉強していきます。

有名なことわざ「ローマは一日にして成らず」の意味は、ずばり「大きい目標は長年努力をしないと成し遂げられない」です。この言葉を耳にしたことがあっても、意味をきちんと知らない人は意外と多いでしょう。

正しく自信を持って使えるように、「ローマは一日にして成らず」の使い方や言葉の意味について、現役日本語教師のスヨメナと一緒に解説していきます。

ライター/スヨメナ

現役日本語教師。対面、オンライン問わず、世界中の国の人に日本語を教えている。ブログでも相手の立場に立って考え、わかりやすく発信していく。

「ローマは一日にして成らず」の意味は?

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ここでは「ローマは一日にして成らず」の言葉の意味を覚えていきましょう。

1.大事業は長年の努力なしに成し遂げることはできないというたとえ。

出典:故事ことわざ辞典「ローマは一日にして成らず」

「ローマは一日にして成らず」は簡単に言い換えると「ローマは一日で完成したわけではない」です。転じて”大きなことを成し遂げるには長年の努力や時間がかかる”という意味になります。実はヨーロッパに伝わることわざです。

このローマは完成するのに何年かかった?

「ローマ」は現在のイタリアの首都「ローマ」ではありません。古代西洋最大の帝国といわれた「ローマ帝国」のことです。イタリア半島に誕生した都市国家が、徐々に広大な地域に発展して帝国となっていきます。築き上げるのに約700年の歳月がかかりました。こうした大事業の成功の裏には必ず積み重ねが大切だということがわかりますね。

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