第27回アンデパンダン展にてキュビスムを世界に発信
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アンデパンダン展は、伝統的な芸術サロンに対抗するために1884年から開催されている独立系の展覧会。1911年の第27回アンデパンダン展にてキュビズムの作品を大量展示し、その取り組みを世界に発信しました。
保守的な美術界に対抗する自由展示会
アンデパンダン展は、伝統とは異なる様々なチャレンジを受け入れるために自由出品が基本。作品に対する審査や評価は行われません。作品を評価するのは来場者であるとされました。
ゴーギャン、セザンヌ、ゴッホ、ムンクなど、同時に芸術界の異端児を数多く輩出。このアンデパンダン展でキュビズム革命が世界に発信され、広く知られるようになりました。
一室にてキュビストの作品を独占的に展示
アンデパンダン展でキュビストたちがとった方法が、会場の一室をすべて彼らの作品で占拠することでした。当時のメインストリームとは大きく異なる作品群に来場者は度肝をぬかれました。
当時の批評家たちはキュビズムの作品群を酷評。今でいう「炎上」騒ぎとなりました。それは詩人であるアポリネールらが意図的に仕掛けたもの。あえて炎上させることで、キュビズムの知名度をあげようとしました。
「キュビズム」は3つの時代に区分される
キュビズムはひとつの芸術運動ですが、スタイルの変化により「初期」「分析的」「総合的」という3つの時期に分けることができます。
セザンヌに影響を受けた初期のキュビズム
『アビニョンの娘たち』をきっかけに、ピカソとブラックはモノのかたちを単純化していきます。立方体のような形を組み合わせて人物などを表現。キュビズムの基本を確立します。後期印象派で独自のスタイルを追求したポール・セザンヌの影響が見られることも、初期のキュビズムの特徴です。
対象を分析・解体する分析的キュビズム
1909年以降、描かれるモノはさらに解体されていきます。それが分析的キュビズム。作品の遠近感は完全に失われ、モノは平面化されていきます。分析的キュビズムは、特に解釈が難しい時期と言われ、何を描いているのか分からない作品もあらわれました。
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