

端的に言えば電光石火の意味は「ごく短い時間」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んだ。一緒に「電光石火」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/すけろく
現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。
「電光石火」の意味は?
「電光石火」には、次のような意味があります。
非常に短い時間。また、動きが非常に速いことのたとえ。
出典:大辞林 第六版(三省堂)「電光石火」
「電光石火」は、「電光」と「石火」の二つの熟語が合わさってできたものです。では、どうしてこれらの熟語が「ごく短い時間」という意味につながるのでしょうか。
まず、「電光」の方から意味を確認していきましょう。実は、「電光」に含まれる「電」は、稲妻を意味しています。稲妻が見えるのは、ほんのごくわずかな間だけですよね?ちょうど、カメラのフラッシュのように。
一方の「石火」とは、どのような意味を持っているのでしょうか。こちらの「石」は、火打ち石を意味しています。火打ち石を打ち付けると、パッと火花が飛び散りますよね?あるいは、ライターで火を付けるときをイメージしてもらってもかまいません。
つまり、「電光」も「石火」も両方とも、ほんの一瞬の出来事を表しているというのが共通点です。
「電光石火」の語源は?
次に「電光石火」の語源を確認しておきましょう。この四字熟語は、「五灯会元(ごとうえげん)」という、中国南宋時代の灯史にそのルーツがあるとされます。
灯史とは、仏教界における歴史書のようなものです。この歴史書の中に次のような一節があります。
「此事如撃石火、似閃電光(此の事石火を撃つ如く、電光の閃くに似たり)」
意味は、「このことは火打石を打ち付けて出た火花のようであり、稲妻の光が閃く様子に似ている」です。つまり、それほどまでに短い時間の出来事だったことを述べています。
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