脊椎動物が誕生した後
魚類は発達した中枢神経系や筋肉を獲得したことで、海中の様々な動物をとらえられる生物になりました。繁栄し種数を増やしていきましたが、水中での暮らしに適応した形態であることや、鰓呼吸するという特性から、海から出ることはできません。
そんな魚類からも長い時間がたつと、ヒレが発達してからだを支えることができるようになるものが現れました。陸上への進出を可能にした、両生類の誕生です。完全に水辺から離れることはできませんが、陸上でもエサを探したり、体を休めることができるようになりました。
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さらに時間が経過して、陸上でより広範囲に活動できる爬虫類が誕生しました。両生類の中から爬虫類が生じたのは約3億年前といわれています。
そのころの陸上には、すでにシダ類などの植物が茂り、昆虫類も豊富な環境になっていました。森に暮らすものや開けた土地に暮らすもの、水辺の近くに暮らすものなど多様な生活をしていたでしょう。
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恐竜のほとんどは中生代の終わりに絶滅してしまいましたが、一部の生き残りが鳥類となり、現在に至っています。そのため、鳥類は爬虫類から進化した生物であり、恐竜の生き残りであるともいうことができるんです。
さて、両生類の系統から爬虫類が分岐したころ、両生類からはまた別のグループが生じました。そのグループの名前は単弓類。ここから後に哺乳類の祖先となる生物が誕生したのです。
脊椎動物の進化はどのようにして解明されてきたのか?
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数十億年にも及ぶ生物の進化の歴史。当然ながら、その現場を実際に目撃してきた科学者はいません。前述のような進化の道筋はどのように解明されてきたのでしょうか?
化石という証拠
もっともわかりやす進化の証拠は、古い地層の中から見つかる化石でしょう。脊椎動物の5つのグループのうち、もっとも古い地層から見つかるのは魚類の化石です。
世界のあちこちの地層を調査すると、古いものから魚類、両生類、爬虫類、そして恐竜(鳥類)や哺乳類の順で化石がみつかります。つまり、脊椎動物はこの順番で地球上に出現したと考えられるのです。
今後発掘調査が進むことで、現在知られているものより古い地層から化石が見つかる可能性もありますが…いずれにせよこれはかなり直接的な進化の証拠といえますね。
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