流体粒子の加速度
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流体粒子の加速度はどのように表現できるでしょうか。ここでは、x軸方向の加速度について考えますね。ある瞬間に流体粒子のx軸方向の速度がu(x,y,z,t)であったと仮定します。そして、Δt秒後に、流体粒子のx軸方向の速度がu(x+Δx,y+Δy,z+Δz,t+Δt)に変化するとしましょう。
このとき、加速度はlim[Δt→0][{u(x+Δx,y+Δy,z+Δz,t+Δt)-u(x,y,z,t)}/Δt]となります。u(x+Δx,y+Δy,z+Δz,t+Δt)を級数展開し、2次以降の項を無視すると加速度は、u∂u/∂x+v∂u/∂y+w∂u/∂z+∂u/∂tとなりますね。ここで、∂は偏微分を表しています。
流体粒子に働く力
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流体粒子に働く力は、3つあります。1つ目は圧力、2つ目は粘性力、3つ目は重力などの外力です。
まず初めに、圧力を表す式を考えましょう。流体粒子の左側にかかる圧力はp(x,y,z)、右側にかかる圧力はp(x+Δx,y,x)です。ですから、流体粒子にかかる正味の圧力による力はp(x,y,z)ΔyΔz-p(x+Δx,y,x)ΔyΔzとなります。先ほどと同じように、p(x+Δx,y,x)を級数展開し、2次以降の項を無視すると圧力による力は-(∂p/∂x)ΔxΔyΔzと表せますね。
粘性力も、まったく同じように考えることができます。流体粒子の向かい合う面にかかる力の差分を考えると、粘性応力による力の合計は(∂τxx/∂x+∂τyx/∂y +∂τzx/∂z)ΔxΔyΔzです。ここで、τxxはx軸に垂直な面に作用するx方向の粘性応力、τyxはy軸に垂直な面に作用するx方向の粘性応力、τzxはz軸に垂直な面に作用するx方向の粘性応力を表します。
外力については、ニュートンの運動方程式を用いるときと同様の方法で記述しますよ。流体粒子の質量をΔxΔyΔzとして、重力の式、万有引力の式などを適応すればよいのです。
ナビエ-ストークスの式を完成させよう!
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ここまでの計算結果から、流体粒子の質量はρΔxΔyΔz、加速度はu∂u/∂x+v∂u/∂y+w∂u/∂z+∂u/∂t、働く力は-(∂p/∂x)ΔxΔyΔz+(∂τxx/∂x+∂τyx/∂y +∂τzx/∂z)ΔxΔyΔz+Xだとわかりました。Xは重力などの外力を表しています。これらを、ニュートンの運動方程式ma=Fに代入すると、ρΔxΔyΔz(u∂u/∂x+v∂u/∂y+w∂u/∂z+∂u/∂t)=-(∂p/∂x)ΔxΔyΔz+(∂τxx/∂x+∂τyx/∂y +∂τzx/∂z)ΔxΔyΔz+Xとなりますね。
さらに、この式の両辺をΔxΔyΔzで割ると、ρ(u∂u/∂x+v∂u/∂y+w∂u/∂z+∂u/∂t)=-(∂p/∂x)+(∂τxx/∂x+∂τyx/∂y +∂τzx/∂z)+X’となります。ここでの、X’は単位質量あたりに働く外力です。これでナビエ-ストークスの式が導出できました。
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