美味しいものは「脂肪」と「 糖」でできている?その理由を元塾講師がわかりやすく解説
2-1.脂肪
脂肪は最もエネルギーを貯蓄するのに適した生体物質で、脂肪に含まれる脂肪酸がこのエネルギーの源です。
脂肪酸は体内でタンパク質と結合し、血液中を巡ることで各細胞組織に取り込まれます。その後ミトコンドリア内で大きなエネルギーを生産するのです。このとき、体内では脂肪酸の酸化が起こっています。脂肪酸の酸化には大量の酸素が必要です。そのために脂肪を消費するには時間がかかるのですが、ダイエットで脂肪を落とすには有酸素運動が効果的といわれるのにはこういったわけがあるのですね。
脂肪1gから得られるエネルギーは9kcalと高く、いざという時のために人は脂肪を体内に蓄えようとします。飢餓や飢饉を乗り越えようとする進化の結果得られた人体の仕組みといえそうです。
2-2.糖
糖も脂肪と同じくエネルギー源として用いられ、脂肪ほどではないものの、1gあたり4lcalのエネルギーとなります。
生物の授業ではデンプンの分解について勉強しましたね。デンプンは唾液中のアミラーゼという酵素のはたらきによって分解されます。このように糖は様々な酵素の働きを経て体内を巡り、エネルギーとして使われているのです。中でも脳は多くのエネルギーを必要とします。「甘いものを食べると頭がはたらく」とよく言いますが、これは血糖値(血液内の糖度濃度)を上げることで脳に栄養を送ろうとするものです。糖はいち早くエネルギーとして使われます。もちろん血糖値は高すぎても低すぎてもよくありませんよ。
3-1.脂肪
脂肪は栄養価の高いものではありますが、肥満やメタボリックシンドロームのリスクを上げてしまう栄養素でもあります。それは前述したように、脂肪が蓄積するのに向いた物質であることが1つの原因です。
こってりラーメンやチーズたっぷりのピザ、バターしみしみのトースト…どれも美味しいものですが、食べすぎはあなたのためになりませんよね。脂っぽい食品が好きという人は、食生活から見直しが必要ですね。
しかし、脂質の中には体内で生成されず食品で摂取する必要のある必須脂肪酸というものが存在します。これらは食用油や魚由に含まれることがわかっていますが、不足しがちの人はサプリ等も有効でしょう。1日に必要な摂取カロリーは年齢や身長、身体活動レベル等によって様々ですが、総エネルギーに占める割合は平均で約2~3割です。これらはインターネット上で計算することができるので、ぜひ試してみてくださいね。
3-2.糖
栄養や食品学では糖はよく炭水化物といわれます。ご飯やパン、パスタなどの主食はこれに当てはまりますね。ただし炭水化物は糖類と食物繊維を合わせたものという意味合いをもちますので、必ずしも炭水化物 イコール 糖とはいえませんよ。
糖と聞くと砂糖やチョコレートのように甘いものを連想しがちですが、米やイモ類に含まれるデンプンもこれに含まれます。体内では素早くエネルギーに変換されて消費されるため、貯蔵されている量としては少量です。(もちろん消費する以上の糖を摂取してしまった場合を除きます。)糖の摂りすぎは脂肪同様にカラダに負担をかけ、生活習慣病の原因となるものです。過不足なく摂取することが大切ですね。
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