化学

「分子間力」を化学好き主婦がわかりやすく解説!

よぉ、桜木建二だ。「分子間力」と聞くと、すぐに「ファンデルワールス力」を思い浮かべる者も多いのではないだろうか。だが、分子間力はそもそも「分子間に作用する力」のことであって、ファンデルワールス力は分子間力の1種だ。改めて整理しておこう。

薬学部出身の主婦ライターarpeggioと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

西岡壱誠

ライター/西岡壱誠

高校2年生でようやく理系の勉強に着手して以来、特に化学の面白さの虜になり、薬学部へ。最近は学術業務を続ける傍ら、自分の子どもやその友達と、身近なものを使った実験を楽しんでいる。

#1 分子間力の定義

image by iStockphoto

分子間に作用する力で、大別して次の二つの種類がある。

その第一は、かなりの近距離においてのみ有効で、距離が遠くなるにつれて急激に減少する斥力である。(中略)分子がある程度以上近づいて電子雲の重なりが生じ、電子の交換相互作用が起こることによるものであるから、交換斥力とよばれる.この力の本質は化学結合力と同じであるが、原子価が飽和している分子の間では斥力となり、原子価が飽和していない場合(原子や遊離基など)には引力となることだけが違っている。(中略)

第二は、比較的遠距離においても有効な引力である、ファンデルワールス力、電荷移動力がこれである。このうち、ファンデルワールス力はさらに、有極性分子間にはたらく配向力と誘起力、有極性・無極性を問わずすべての分子間にはたらく分散力に分けられる。(後略)

                    -出典:森北出版「化学辞典(第 2 版)」

分子の間に働く力。通常の気体を冷やしていくと凝縮して液体になり、さらに固体になるのは、分子間に働く力による。(後略)

                    -出典:株式会社平凡社「世界大百科事典 第 2 版」

電気的に中性な分子の間に働く力で、引力と斥力がある。通常、原子も分子の 1 種と考える。引力は遠距離まで働くが、斥力は近距離のみで有効である。

引力には、双極子モーメントをもった化合物間に生じる静電引力、双極子モーメントをもった化合物が他の化合物を分極して生じる誘起効果による力、双極子モーメントをもたない分子間に働くファン・デル・ワールス力、電子供与体と電子受容体との両分子間の電荷移動力などがある。(後略)

                    -出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

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つまり分子間力には、水素結合、双極子相互作用、ファンデルワールス力などの種類があるというわけだ。

誘起効果による引力や電子供与に際して生じる引力等の詳細は大学で学ぶ内容になるので、ここでは高校化学、大学入学試験で特に取り上げられる「水素結合」と「ファンデルワールス力」、それから氷を構成する水分子間には静電引力が働いていることを押さえておこう。

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西岡壱誠