
3分で簡単「燃料電池」仕組みや種類をエネルギー工学専攻ライターがわかりやすく解説
固体酸化物型燃料電池(SOFC)

固体酸化物型燃料電池(SOFC)は、燃料極にニッケル・ジルコニアサーメット、空気極にランタンクロマイト、電解質にイットリア安定化ジルコニアを使用した燃料電池です。固体酸化物型燃料電池は、水素の代わりに一酸化炭素を燃料に用いることができます。高温でのみ動作するため、工場の高温排熱などを利用していますよ。
電解質のイットリア安定化ジルコニアは、人工的に酸素欠陥を作り、酸素が通り抜けやすいような構造になっています。ですから、燃料電池の電解質以外に、酸素センサーなどにも用いられていますよ。
溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)
溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)は、燃料極にニッケル、アルミニウム、クロムの合金、空気極に酸化ニッケルにリチウムを少量加えたものを使用しています。電解質には、特殊な素材に炭酸リチウムと炭酸カリウムを浸み込ませたものが用いられていますよ。
溶融炭酸塩型燃料電池も、水素以外の燃料を使用することができます。また、空気極には二酸化炭素を送り込む必要がありますよ。
リン酸型燃料電池(PAFC)
リン酸型燃料電池(PAFC)は、燃料極と空気極の両方に多孔質炭素膜、電解質には特殊な素材に浸み込ませたリン酸が用いられています。リン酸型燃料電池は、低温で動作する燃料電池であるので、電極には触媒の白金が含まれていますよ。
白金は非常に高価であり、地殻中の埋蔵量も非常に少なくなっています。そのため、微粒子化といった、より少ない白金で多くの燃料電池を作るための技術が開発されていますよ。近年では、白金の代わりに、電極の触媒に用いる代替え材料の研究も進められています。代替え材料として期待されているのは、チタン酸化物、ニッケルの合金などです。
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