

しかしミッドウェー海戦の敗北で一転して劣勢に立たされた日本、その後に起こったのがガダルカナル島の戦いだ。今回はガダルカナル島の戦いについて日本史に詳しいライターリュカと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/リュカ
元塾講師で、現役のライター。塾講師とライター業に共通して「わかりやすい伝え方」に定評がある。今回は得意分野のひとつである「歴史」からガダルカナル島の戦いをわかりやすくまとめた。
日本の作戦を見破ったアメリカ
まず、ガダルカナル島の戦いは太平洋戦争の中で起こった戦いですが、太平洋戦争は第二次世界大戦の中で起こった戦いです。そのため「ガダルカナル島の戦い=太平洋戦争における戦い」でもあり「ガダルカナル島の戦い=第二次世界大戦における戦い」でもあり、これらはどちらも正しい表現だと解釈してください。
1941年12月、真珠湾攻撃で奇襲を成功させた日本はフィリピン・インドネシア・マレー半島へも侵攻。さらにマレー沖海戦ではイギリス艦隊を撃破、快進撃が続く日本は次々と重要拠点の占領に成功、しかしそんな日本優勢の流れを一転させたのが1942年のミッドウェー海戦でした。
元々日本はミッドウェー島への攻撃を暗号化しており、そのためアメリカも日本の次の攻撃目標が分からずに悩みます。しかし、アメリカの情報作戦でミッドウェー島攻撃の作戦が発覚してしまった日本、アメリカは日本が知らぬ間にミッドウェー島に主力の空母と艦隊を送り込みました。
こちらの記事もおすすめ

第二次世界大戦との区別も解説!「太平洋戦争」を元塾講師が分かりやすく5分で解説 – Study-Z ドラゴン桜と学ぶWebマガジン
敗北以上に痛かった空母の損失
攻撃目標を知られたことに気づかない日本軍、「赤城」・「加賀」・「飛龍」・「蒼龍」の4隻の空母を向かわせてミッドウェー島に空襲を開始します。しかし、アメリカは日本が攻めてくることを知っていたため、待ってましたとばかりに反撃を開始、さらにそこへアメリカの空母が到着しました。
攻撃される日本の空母、「赤城」・「加賀」・「蒼龍」の3隻はたちまち戦闘不能に陥ってしまいます。残る「飛龍」は一致報いる反撃によってアメリカの空母1隻を撃破したものの、やがて「飛龍」も撃破され、日本は敗北と同時に主力の空母4隻を失うことになりました。
日本にとってミッドウェー海戦の敗北はもちろん痛かったでしょうが、それ以上に痛かったのは空母4隻を失ってしまったこと。制空権を奪われた日本は作戦変更を余儀なくされ、空母を失った日本に必要なのは飛行場を作って基地航空隊を配備すること、そしてそのために選ばれたのがガダルカナル島でした。
\次のページで「ガダルカナル島の戦いの始まり」を解説!/