化学

海好きなら知っておきたい「潜水病」について元塾講師がわかりやすく解説

今回は「潜水病」について詳しく勉強していこう。

海が好きでダイビングに挑戦してみたいと思うやつもいるんじゃないか?チャレンジする前に海の怖さについて知っておくといいでしょう。

海の近くで生まれ育ち、化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していきます。

ライター/Ayumi

理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。

1.潜水病とは

image by iStockphoto

潜水病は減圧症やケイソン病ともいわれ、血液に含まれる窒素が気泡化してしまう疾患です。気泡が膨張すると各組織を傷つけ、臓器内部の血管をふさぐ原因になります。これにより疲労感、筋肉痛や関節痛に似た痛みの症状から始まり、重症になると呼吸困難や胸痛を生じるものです。最悪の場合、死に至ることあります。

水深10m以下(特に30m以下では要注意)でのスキューバダイビング、急浮上、潜水後に飛行機に乗る、長時間の潜水などによって発生するリスクが増大する疾患です。

1-1.酸素ボンベの正体

ダイビング中の呼吸のために必要となるボンベですが、よく「酸素ボンベ」といいますよね。実はあのボンベ、中身は酸素だけではないのをご存じでしたか?

酸素ポンべといいながら、実は「空気」が入っていたなんて驚きですよね。さて、ボンベには空気を圧縮することでたくさんの気体を詰めています。つまり、よりたくさんの分子がボンベに入っているということですね。なぜ酸素のみをボンベに入れないのか気になりませんか?実は水中の圧力下で高い分圧の酸素を呼吸すると「酸素中毒」につながる恐れがあるのです。

1-2.水圧の変化と血液中の窒素

ダイビング中は酸素だけではなく、窒素も一緒に吸っているということがわかりましたね。潜水病の原因になるのはこの窒素の気泡です。

ヒトの体は通常よりもたくさんの酸素を吸収しても、常に酸素を消費しているために体内に蓄積されることはありません。しかし窒素を過剰に吸収した場合、血液や組織中に蓄積していってしまうのです。通常の空気よりも酸素濃度が高い イコール 窒素濃度は低くなりますが、ボンベには圧縮された通常よりも多い気体分子が入っていますから、結果的にダイビング中は過剰な窒素分子を取り込んでしまうということですね。

通常の呼吸ではたくさんの窒素を吸い込んだとしても呼気として排出されます。しかし、潜水中に吸収し血液や組織内に蓄積された窒素は排出するまでに時間がかかってしまうのが想像つくでしょうか。

\次のページで「2.例を使って考えてみよう」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: