化学理科生活と物質

料理の化学「メイラード反応」を元塾講師がわかりやすく解説

3.食品の加熱を続けると…

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メイラード反応のもととなるアミノ酸は加熱によって香りが変化する物質でもあります。例えばロイシンというアミノ酸は100℃では甘いチョコレートのような香りがするものの、さらに高温で熱するとチーズのような香りに変化してしまうのです。メイラード反応は反応の段階によって生成物が異なり、香りも移り変わっていく反応と覚えておきましょう。

ところで、どんな食材でも加熱をし続ければ黒焦げになってしまいますよね。ここまでいってしまえば、それはもはやメイラード反応ではありません。皆さんもよくご存じの炭化(有機物が加熱によって炭素が残ること)です。あくまでもメイラード反応はこんがりきつね色からおいしそうな焦げ目程度であることがポイントですよ。

4.体内におけるメイラード反応

ヒトの体内にもたくさんの糖とアミノ化合物、特にタンパク質が多く存在していて、常にメイラード反応が起こっています。体を構成するタンパク質が糖と結びつくことで様々な病態や老化に関連するとして研究がされているのです。調理をするときのような急激な反応ではないものの、反応は着実に進んでいるということですね。また、生体内で生成されるメラノイジンだけでなく、食品からも摂取することでの影響も研究が進められています。

だからといって食事からメラノイジンを摂取しないのは通常の生活では不可能です。あまり神経質にならず、野菜も肉もバランスよく食べるようにしたいですね。

メイラード反応を知れば料理上手に?!

メイラード反応糖とアミノ酸やタンパク質といったアミノ化合物の加熱によってメラノイジンが生成する反応です。このメラノイジンは褐色物質であることから、褐変反応とも言われます。見た目の変化だけでなく、この反応によって香り成分が同時に生成することで、料理のおいしさの大きな一因となるでしょう。

普段からよく口にしている食材・食品には広く糖やアミノ化合物が含まれており、メイラード反応はとても身近な化学反応です。化学に対して苦手意識を持っている人も、料理などの違うアプローチから化学への興味を育てていけるといいですね。

イラスト素材引用:いらすとや

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