
2.メイラード反応とは
それでは今回のテーマであるメイラード反応について見ていきましょう。先述したおいしさの基準「香り」と「見た目」に大きく影響を与える反応で、料理には欠かせない反応です。これを活かすことで料理のおいしさを引き立てることができますよ。
2-1.反応物はアミノ酸と糖

image by Study-Z編集部
メイラード反応とは、糖とアミノ化合物(主にアミノ酸、ペプチドやタンパク質)を加熱することによって起こる反応です。これによってメラノイジンと呼ばれる褐色物質が生成するため、 褐変反応とも呼ばれます。反応過程で臭気物質(香気成分)も同時に生成し、これが料理の香りとなるのです。
一般的に糖は甘味、アミノ酸は甘味、苦味、酸味やうま味など、味覚に大きく関わっています。さらに野菜、肉、米、卵、調味料などあらゆる食材に含まれているため、メイラード反応は料理との関係が深い反応といえるでしょう。
この反応によって生成するメラノイジンは、いわゆる「焦げ」を指します。肉に焼き色がついたり、ご飯のおこげ、トーストの焼き目など、これらはすべてメイラード反応による結果なのです。
2-2.生成物がおいしさのカギ
具体例で考えてみましょう。
ステーキ肉は焼き目が付いてくるとジューシーでおいしそうな香りが広がり始めますね。土鍋ご飯はおこげの部分が好きな人も多いでしょう。食パンはカリッとトーストしたほうが香ばしさを感じられます。
例を挙げればまだまだありますよ。コーヒー豆を焙煎したり、黒ビールや醤油、味噌(※)の色付きもこの反応によるものです。(メイラード反応は主に加熱によって起こりますが、味噌のように加熱によらない反応もあるので注意しましょう。)
どれも「見た目」と「香り」の変化がありますね。焦げ目がついたり褐変することによって見た目のおいしさが増すとともに、おいしそうな香りによって食欲をそそられませんか?メイラード反応の効果によって風味がアップするというメリットがありますね。
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