地学地球理科

火山の理解に不可欠な「マグマ」を理系ライターが丁寧にわかりやすく解説

マグマの発生について

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地球上の火山にもっとも大量に存在するマグマは玄武岩質マグマです。そのため多くの火山では玄武岩質マグマが最初に生じ、その後このマグマが変性することにより多様なマグマが生じていると考えられています。マントル最上部を作っているかんらん岩が部分溶融して生じるのがこの玄武岩質マグマです。

かんらん岩が玄武岩質マグマに変化する機構は、中央海嶺では別れていくプレートの隙間を埋めるように、高温のマントルが温度があまり下がらないまま減圧されマグマに変わります。ホットスポット火山でもマントル深部からの上昇流にのったマントルが急に減圧されマグマに変わる、中央海嶺と似たような機構です。

一方、沈み込み帯ではプレートが深部に沈み込み、その反流によって高温のマントルが急に上昇することによって減圧されマグマに変わります。さらに、沈み込み帯では沈み込むプレートによってもたらされる海水によってもかんらん岩の融点が下がり、マントルからマグマへの変化が促されるようです。

上記はかんらん岩の画像になります。

マグマの上昇と分化

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Dave Bunnell投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

かんらん岩の部分溶融で生じた玄武岩質マグマは、しだいに集積し、周囲のかんらん岩より軽いため浮力により上昇します。場合によっては上部マントルと地殻の境界付近などでマグマ溜りを形成することもあるようです。上昇中もしくはマグマ溜りで停滞している間に様々なプロセスで化学組成が変化します。このプロセスがマグマの分化です。

マグマが冷却され生じる結晶と周りのマグマとは性質が異なるため、分離していくことがあり、これが結晶分化作用、もしくは分別結晶作用と呼ばれるものになります。このようにマグマが冷却され生じる結晶が鉱物です。マグマが周りの岩石を溶かすことにってマグマの組成が変化するのが混成作用、あるいは同化作用と呼ばれるものになります。さらにマグマが別のマグマと混合するマグマ混合も頻繁に起こっているようです。

上記の画像はマグマ溜り内部の画像になります。

火山深部から噴火へ

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最初に上部マントルと地殻の間でマグマ溜りを作っていたマグマは結晶分化作用などで密度が低下し、再び浮力を獲得し上昇します。このように上昇と停滞を繰り返しながら、地表より深さ数キロメートルまで上昇すると、周囲の岩石の密度がマグマより小さくなり、結晶分化しても浮力を獲得できません。そして最終的なマグマ溜りを形成します。

最終的なマグマ溜りでは低圧になり、それまでマグマに溶け込んでいた揮発成分がガスに変わり、この過程が噴火にとっては重要です。このマグマからガスが分離する過程が急激におこるとマグマがばらばらに粉砕され、膨張するガスとともに急激に地表に到達し爆発的噴火がおこります。なんらかの原因でガスの分離がゆっくり起こると発生するのが非爆破的噴火呼です。非爆発的噴火ではドロドロのマグマがそのまま地表にでてきます。

惑星の成長を考える上でもマグマは重要

惑星の成長を考える上でもマグマは重要

image by Study-Z編集部

地球は岩石型惑星であり、岩石が溶けたものがマグマです。地球や他の惑星の誕生時には非常に高温であり、地表面がすべてマグマに覆われていた時期もあると考えられていて、これをマグマオーシャンと呼んだりします。つまり惑星や衛星は最初はすべてマグマの状態だったと考えられるのです。このためマグマを研究することにより惑星の誕生過程がわかるかもしれません。

さらに、他の惑星にもプレートは見つかっていませんが火山は見つかっています。そこでもマグマのようなものが噴出しているに違いありません。マグマや岩石の研究は、太陽系の惑星や衛星を理解するにはかかせないものなのです。

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