
反応熱のキルヒホッフの法則は、熱力学と化学反応を結びつける法則です。この法則を用いることで、任意の温度での反応熱を計算によって求めることができるようになるぞ。ぜひ、この機会に反応熱のキルヒホッフの法則を理解してくれ。記事の途中で、聞きなれない専門用語や単語が多く登場するかもしれないが、そのときは言葉の意味や定義をしっかりと考えてみてほしい。
エネルギー工学、環境工学を専攻している理系学生ライターの通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。中学時代に、DIYで太陽光発電装置を製作するために、独学で電気工事士第二種という資格を取得してしまうほど熱い思いがある。
反応熱のキルヒホッフの法則とは?

キルヒホッフの法則と聞くと、電磁気学で学ぶ、電流と電圧の関係を表したものを思い浮かべる方が多いかと思います。この法則は、グスタフ・ロベルト・キルヒホッフがまとめたものです。そして、彼は電磁気学についての法則に加えて、放射エネルギーについての法則、反応熱についての法則を発表しています。
今回扱うのは、反応熱のキルヒホッフの法則ですよ。反応熱のキルヒホッフの法則は、反応熱と絶対温度および圧力を結びつけるものです。この法則を用いることで、任意の温度での反応熱を計算によって求められます。以下では、反応熱のキルヒホッフの法則の導出方法を中心に解説していきますね。
反応熱と反応エンタルピー

まず、反応熱のキルヒホッフの法則について学ぶ前に、反応熱について復習しましょう。そして、同時に理解しておくべきである反応エンタルピーという概念も説明します。
反応熱とは、何らかの化学反応により、放出または吸収される熱のことです。反応熱を数値で表す場合は、単位物質量あたりの発熱量で表現することが多く、単位はJ/molとすることが多いですよ。また、発熱反応では正の値、吸収反応では負の値で表します。
反応エンタルピーは、何らかの化学反応がおきた前後での、エンタルピーの変化量のことです。一般に、定圧条件下での反応熱と反応エンタルピーの絶対値は一致します。符号に関しては、逆になりますよ。つまり、発熱反応では負の値、吸収反応では正の値となるのです。
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