身近な現象と結びつけながら「光の反射」を理系学生ライターがわかりやすく解説
光の反射の位相の関係
ここでは、光の反射と位相の関係について学んでいきましょう。位相とは、周期性のある波が振動しているとき、周期の中の位置関係を表す指標です。また、ここでは屈折率という用語も登場します。屈折率とは、物質に固有の値で、物質中での光の進みにくさを表しますよ。
屈折率の小さい物質の中を光が進み、屈折率が大きい物質の表面で反射した場合は、固定端反射となります。つまり、反射するときに、反射光は入射光に対して逆位相に変わるのです。空気中を進む光が、ガラス表面で反射した場合などが、これに該当しますよ。
一方、屈折率の大きい物質の中を伝わってきた光が、屈折率が小さい物質の表面で反射した場合は、自由端反射となります。つまり、反射光と入射光の位相は同じになるのです。ガラスの中を進む光が、水面で反射した場合などが、これに該当します。
光の偏向について
光の正体は電磁波であり、電磁波は空間内を波として伝わります。一般的に、自然の光の波は不規則に振動しており、振動面がただ1つに決まりません。このような光を無偏光といいますよ。
一方、人工的に作り出した、波の振動面がただ1つに決まる光を偏光というのです。そして、光の反射を考える際、入射面に対して垂直な面で波が振動している光をs偏光といいます。一方、入射面に対して平行な面で波が振動している光をp偏光といいますよ。
偏向の違いと反射率の関係
ガラスのような透明な物質の表面で光が反射する場合、入射光の一部が反射せずに、ガラスの内部へと進みます。例えば、窓ガラス越しに見える太陽の光は、窓ガラスで反射せずに進んだ光です。
このとき、入射光量に対する反射光量の比率を反射率と定義します。反射率は、一般に入射角の大きさと偏光の種類によって決まりますよ。
特に、入射光がp偏光の場合に、特別な現象が見られます。例えば、空気中から入射角約60度でガラス表面に光線を当てると、ほぼすべての光が反射せずに透過するのです。このような角度をブリュースター角といいますよ。
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