「DC-DCコンバータ」の仕組みを理系学生ライターがわかりやすく解説
「DC-DCコンバータ」は、直流の電圧を変換する装置で、多くの家庭用電気製品に搭載されている。また、再生可能エネルギーを上手に使うためのスマートグリッドと呼ばれる技術を実現するためにも、必要不可欠な装置です。ぜひとも、この記事を読んで、「DC-DCコンバータ」についての知識を身に着けてくれ。
中学時代に独学で第二種電気工事士免状を取得した理系学生ライターの通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。
ライター/通りすがりのペンギン船長
小学生のころ、電子工作にドハマリし、中学時代には独学で第二種電気工事士免状を取得した。電気について独学する機会が多かったこともあり、電気の学習がいかに難しいかということもよく理解している。
DC-DCコンバータとは
DC-DCコンバータは、直流の電圧を上げる、もしくは下げることができる変換装置です。近年、DC-DCコンバータは、非常に多くの家庭用電気製品に内蔵されるようになりました。その他に、太陽光発電システムや電気自動車などにも、DC-DCコンバータが利用されています。逆に、DC-DCコンバータを搭載していない機器を見つけるほうが難しいくらいです。
この記事では、回路について理解しやすい「降圧チョッパ」、「昇圧チョッパ」という2種類のDC-DCコンバータを解説します。そして、DC-DCコンバータが普及した理由について、考えてみましょう。
#1 降圧チョッパの仕組み
image by Study-Z編集部
降圧チョッパは、抵抗負荷にかかる電圧を、直流電源の電圧よりも小さくすることができる回路です。降圧チョッパは、上に示した回路図のように、直流電源、ダイオード、コイル、スイッチ、抵抗負荷から構成されます。
では、回路がどのように動作するのかを考えてみましょう。スイッチをオンにすると、直流電源→スイッチ→コイル→抵抗負荷→直流電源の順に電流が流れますね。このとき、コイルには電流が蓄えられます。次に、スイッチをオフにすると、コイルに蓄えられた電流がコイル→抵抗負荷→ダイオード→コイルの順に流れるのです。
ゆえに、スイッチのオンとオフを繰り返すと、抵抗負荷には絶えず電流が流れ続けることがわかりますね。このとき、抵抗負荷にかかる電圧は、鋸刃のように小さなギザギザを含む波形となります。そして、抵抗負荷にかかる電圧の時間平均値は、直流電源の電圧よりも小さくなるのです。
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