物理

密度と水の不思議な性質~理系ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木健二だ。今回は水について考えてみるぜ。

水なんてありふれたものだよな。俺たちの体内の水は、体重の約6割ほどを占めるというな。大根などほとんど水といってもいい(95%が水分)。

だがな、水はいろいろな性質を持っているのだよ。それは驚異を通り越して不思議でさえあるかもしれんな。そんな水について物理系ライターのタッケさんとみていこう。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

タッケ

ライター/タッケ

物理学全般に興味をもつ理系ライター。理学の博士号を持つ。専門は物性物理関係。高校で物理を教えていたという一面も持つ。今回は水について考えてみた。

密度とは何か

image by iStockphoto

密度という言葉は割とよく聞くのですが、その意味は?と問うとあいまいな場合が多く見られます。

意外とこういう重要な基礎概念が、本当の意味で身についていないことが多いようですね。
物理を得意にするには、基礎概念を自分の言葉で説明できることが必要です。

さて、自問しましょう。
密度とは何だろうか?

image by iStockphoto

密度は記号ρで示される物理量で、質量m、体積Vとすると、

ρ=m/V

と示されます。
さてその意味ですが、この式をそのまま解釈すると、単位体積あたりの質量ということになりそうです。

もう少し砕けた言い方をすると、1 [m3] での質量 [kg] を表しているといえます。あるいは、1 [cm3] での質量 [g] としてもいいですね。 

つまり、いろいろな物質を比較するときに同じ体積でその質量を比べようというわけです。

この密度の違いはアルキメデスの話も重要な要素として出てきます。
次の記事も参考にしてください。

いろいろな物の密度

密度ρの単位としては [ kg / m3 ] とかけますが、他にも、[ g / cm3 ] などを良く使います。

ではいろいろな物の密度を見てみましょう。

(単位: g/cm3 = 103kg/m3

白金 – 21.4
金 – 19.3
ウラン – 18.7
水銀 – 13.5
鉛 – 11.3
銀 – 10.5
銅 – 8.96
鉄 – 7.87
チタン – 4.54
アルミニウム – 2.70
水 – 0.999 974 95 (温度3.984℃における最大密度)

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%86%E5%BA%A6

ここで水は温度によってその密度が大きく変動しますので、約4℃での値(だいたい1)としています。

水の密度

image by iStockphoto

さて、水の場合は温度により密度が変動すると書きました。
ただし、厳密に言えばすべての物質は温度により体積が多少なりとも変動するので密度も変わります。

水の場合はその変動が大きく、また特異であることがわかっているのです。

それでは水の密度はどのように変わるのでしょうか?

ここには驚くべき水の性質が隠れています。
次の図は水の密度ー温度の相関図です。

image by Study-Z編集部

この図によると、水の密度は約4℃で最大になっています。
つまり、4℃の水が一番重いのですね。

普通に考えると、温度が下がるにつれて密度が大きくなるような気がしませんか?
なぜなら、温度が下がるということはその分子や原子の運動が小さくなることであり、それにつれて各分子間の結びつきが強くなると予想されるため、全体にぎゅっと引き締まると考えられるからです。
しかし、グラフからは水の密度は4℃で最大で、4℃以下では密度は小さくなっていることがわかります。

つまり、4℃より低い温度では水の密度が減少するため、水は4℃以下では温度が下がるのに膨張していく!ということですね。

これが水の低温膨張で、自然界でもきわめて珍しい現象といえます。

この不思議な水の性質により、深い海底の海水温は約4℃なのです。
つまり、北極海の深海底でも赤道下の深海底でも同じく約4℃の海水温だと考えられます。

また、水のこのような性質が実は魚たち水生生物にとって非常に都合よいことだと気がつきますね。

なぜかというと、冬に気温が下がって池の水が凍りつくとき、もし0℃の水が一番重いのであれば湖底から凍りつくでしょう。

4℃の水が一番重いという性質のおかげで生物たちは助かっているのです。

水と氷の密度

image by iStockphoto

ところで、水が凍った場合、すなわち、氷の場合はどうなるでしょうか?
氷の密度は約0.92 [g/cm3]となり、驚くことにその密度は水よりも小さくなります。

これが氷が水に浮く理由です。
氷が水に浮くことの、なにがそんなにすごいかって?
そうですね。私たちは水に氷が浮いていても特に何も思うことはなく、当然だと思ってしまいます。

しかし、みなさんも良く知っているように、液体は気体よりも密度が大きくなりますね。
固体と液体の関係も、同様によくよく考えてみれば固体はその液体よりも「ギュッと縮こまっている」のが普通だと思いませんか?
つまり同じ物質であれば、固体の密度は液体の密度よりも大きいのが普通です。

ということは、固体の物質を溶かした液体にはその固体物質は沈むのが通常なのですね。

よって、この氷が水に浮くという性質も自然界では異例中の異例、特別なことなのです。

私たちは日々、このめったに無いはずの自然現象を目にしているというわけですね。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

水は本当に不思議な性質を持っているんだな。

水の沸点が100℃ということについても、他の同様な物質から比べると異常に高いんだ。

もしも水の沸点が低いと、地球では現在のような生命は存在し得なかっただろう。

水の沸点が異常に高いことについては水素結合が関係している。
その水素結合は水分子が直線状でないことが関係しているんだ。

なんでもうまくできているものだ。とは思わないか?
なぜ自然はこんなにもうまくできているのか!

水はありふれているかもしれないが特別なもの

みなさん水の不思議な性質をみてどう感じたでしょうか。
水は地球ではありふれていますが、見方によっては奇跡の物質といえるかもしれません。

その他、氷にはたくさんの種類があることなど、まだまだ水には不思議な性質があるのですが、すべては書ききれませんでした。

またの機会に書いてみたいと思います。

でも、桜木先生もおっしゃるように、世の中なぜこのようにうまくできているか?、と思いませんか?

私は人格をもったような、いわゆる「神さま」をまったく信じていません。
しかし、自然界のいろいろな現象を見ていくと、そこには不思議な調和と奇跡が重なり合っていることを感じます。

物理のブログのサイトを運営中
https://kokolainen.com/
YouTube チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCGf-kCGniII8_YYcbbEZ8eg?view_as=subscriber
よろしければどうぞお越しください。

Share:
タッケ