
電気分解の仕組みについて現役理系大学生ライターが詳しくわかりやすく解説
アルミニウムの溶融塩電解
溶融塩電解についてアルミニウムを例にとって解説していきます。
アルミニウムは天然には酸化アルミニウムAl2O3として存在しているんですね。
溶融塩電解によって
Al2O3→2Al3+ + 3O2- となり、
陰極 Al3+ 3e- →Al
陽極 C + O2- → CO + 2e-
となるんですね。
このとき、氷晶石というものを酸化アルミニウムに加えて溶融塩電解をするということを覚えておいてください。
銅の精錬電解
銅の精錬電解は、電解液に硫酸銅水溶液、陽極に不純物を含んだ銅、粗銅を用い、陰極に不純物を含まない純銅を用います。
この条件で電気分解をすると、次のような反応が起こるんですね。
陰極 Cu2+ 2e- →Cu
陽極 Cu → Cu2+ + 2e-
このとき、粗銅に含まれていた不純物が電極の下にたまるのですが、これを陽極泥というので覚えておきましょう。
陽イオン交換膜法

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NaCl水溶液の電気分解は陽イオン交換膜法を使って行われるんですね。
陽イオン交換膜とは陰イオンを透過させず、陽イオンを透過させる膜のことで、
陽イオン交換膜法は陽イオン交換膜によって二層に分けられた電解層に電流を流すと
陽極 2Cl- →Cl2 + 2e-
陰極 2H2O + 2e- → 2OH- + H2
の反応が起き、陽イオンだけが交換され、NaOH水溶液がつくられます。
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