地学

地面は動いている!「プレートテクトニクス」を理系ライターが丁寧に解説

よぉ、桜木建二だ。今回はプレートテクトニスクについて解説していくぞ。

プレートテクトニクスは、地面が動いているという理論だ。冷静に考えると妙な話だが、現在では地球の様々な現象を理解するための基本的な理論になっている。プレートテクトニクスの基本的な事柄を理解してみよう。

今回は物理学科出身のライター・トオルさんと解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

tohru123

ライター/トオル

物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。

プレートテクトニクスについて

image by iStockphoto

プレートテクトニクスは現在の地質学において基本的な概念であるだけでなく、現在の地球史にとっても非常に重要な概念になっています。プレートテクトニクスとは簡単に言えば、地面がプレートという部分に分かれ、そのプレートが動いているという理論のことです。プレートの移動が原動力となり、造山活動、火山活動、地震などの地質学的活動が起こると説明されます。ただ、プレートの移動は年間数センチというレベルなので、人間の日常的な時間間隔ではイメージするのが難しいかもしれません。

プレートテクトニクスは1912年に気象学者であったウェゲナーによって提唱された理論ですが、当時は証拠不十分によりウェゲナーが生きている間に広く認められることはありませんでした。その後、一時は忘れられていたのですが、1960年ごろから様々な証拠が発見され、現在では広く認められる理論になりました。上記の画像はケニアでの大地溝帯の画像です。

地球の内部について

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Los688 – Myown wrok, パブリック・ドメイン, リンクによる

プレートテクトニクスを説明するために、まずは地球の内部構造について簡単に説明します。地球の半径は約6400キロメートルで、地表面から約60キロメートルまではほぼ岩石からなる地殻です。そこから約2900キロメートルまでマントルで、660キロメートルあたりで上部マントルと下部マントルにわかれています。マントルは特殊な状態の岩石で構成されているようです。マントルの下は核で、5100キロメートルあたりで液体状の外核と固体状の内核にわかれています。

上記の画像は左が構造の名前で、真ん中が構成されている物質です。ここで注目してほしいのが、一番右の硬度での分類表で、地殻と上部マントルの一部がリンソスフェア、その下がアセノスフェアに分類されているのがわかるかと思います。リンソフェアは硬い部分で、アセノスフェアは柔らかい部分という分類です。プレートテクトニクスにおいてはこの分類が重要になります。ちなみに、なぜアセノスフェアが柔らかいのかという理由はよくわかっていません。

プレートについて

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USGS, Washiucho – 投稿者自身による作品, translation of File:Plates_tect2_en.svg, パブリック・ドメイン, リンクによる

地面が動いていると言っても自由に動いているわけではなく、プレートという構造に別れていて、プレートが動いています。ここでプレートというのが先ほどでてきたリンソスフェアという部分です。リンソスフェアが上記の画像ようにいくつかのプレートに分割されていて、それがアセノスフェアの上を動いている、というのがプレートテクトニクスの正確な説明になります。

プレートが動く機構についてはマントルの対流が原因と考えられていますが、詳細についてはまだわかっていません。プレートテクトニクスはプレートの中央では大きな変動は起こらず、プレート同士の境界で火山活動や地震活動などの地殻変動が起こるという考えです。プレートの境界には発散境界、収束境界、トランスフォーム断層境界の3つがあり、地球ではこれらの周辺で様々な地質学的活動が起こります。

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プレートテクトニクスとは、硬いリンソスフェアがいくつかのプレートに分割されていて、それが柔らかいアセノスフェアの上を移動するという理論だ。プレート同士が衝突したり、生まれたり、こすれたりする場所で様々な地質活動がおこる。

発散境界について

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Hannes Grobe, Alfred Wegener Institute for Polar and Marine Research – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 2.5, リンクによる

発散境界とはプレート同士が離れていっている場所のことであり、プレートが生まれている場所とも考えられます。大西洋中央海嶺、東太平洋中央海嶺、中央インド海嶺などです。このような中央海嶺では上記の画像のように、玄武岩やその下の斑れい岩からなる海洋地殻が定常的に形成され、海洋底が両側に広がっていっています。

上記の一番下の図で中央海嶺の真ん中が少し盛り上がっている理由は、新しく形成された海洋地殻を含む海洋プレートは温度が高く、熱膨張により密度が低くなり浮力が働くからです。その後両側に離れるにしたがって冷却され密度が高くなり、沈降していきます。基本的に発散境界は海にしか存在しません。現在は例外的にアフリカ大地溝帯が大陸上に存在しますが、数億年以内に海に沈むと考えられています。

収束境界について

収束境界とはプレート同士が衝突している境界のことです。収束境界でもっとも一般的に見られるものは、海洋プレートが海溝から大陸プレートの下へ沈み込んでいる沈み込み帯になります。上記の画像は沈み込み帯の模式図です。海洋プレートは大陸プレートより密度が大きいため、海洋プレートが下に沈み込んでいきます。沈み込み帯では海溝の存在、海溝型地震、火山活動が特徴です。

一方、現在のヒマラヤ山脈はインドプレートとユーラシアプレートの、大陸プレート同士の衝突により盛り上がってできたもので、いまも衝突は続いています。昔はインドプレートとユーラシアプレートの間に海洋プレートが存在したのですが、その海洋プレートはユーラシアプレートの下にすべて沈み込んでしまい、現在の大陸プレート同士の衝突になったようです。

 

トランスフォーム断層境界について

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Los688 – 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

トランスフォーム断層とはプレート境界において生成される横ずれ状の断層のことです。上記の画像の赤い部分がトラスフォーム断層と呼ばれる部分になります。主に中央海嶺において生成されたプレートが拡大しようとしたときに発生する中央海嶺を横切る割れ目として、形成されるのがトランスフォーム断層です。このほかにも海溝同士をつなぐものや、中央海嶺と海溝をつなぐものも存在します。

日本付近のプレートについて

上記のように日本はなんと4つのプレートに挟まれている世界でも珍しい地域です。日本に地震が多いのも、火山が多いのも、温泉が多いのも、山ばかりなのも、すべてもとを正せばプレートの境界にいるのが原因と言えるでしょう。日本付近はすべて収束境界と考えられ、大陸プレートであるユーラシアプレートの下に、海洋プレートであるフィリピン海プレートが沈み込んでいます。

さらにフィリピン海プレートの下にも、同じく海洋プレートである太平洋プレートが沈み込んでいる構造です。また東北日本では太平洋プレートは大陸プレートである北アメリカプレートの下に沈みこんでいます。北アメリカプレートとユーラシアプレートは同じ大陸プレートで衝突型の境界だと考えられているようです。

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発散境界で生まれたプレートが収束境界でマントルの中にもどっていくというイメージをもてばよいだろう。海洋プレートと大陸プレートが衝突したときは、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むことも覚えておこう。日本は4つものプレートの境界状にある珍しい地域だ。その意味ではプレートテクトニクスを理解するにはうってつけの国とも言える。

地面が動いているのは重要なこと

地面が動いているのは重要なこと

image by Study-Z編集部

初学者には地面が年数センチ動いているなんてことは、どうでもいいことだと思うかもしれませんが、大地の基本的な形を決めているのがこのプレートテクトニクスです。地球史のスケールで考えると大陸はくっついたり離れたりしているのですが、それはすべてプレートテクトニクスが原因になります。また日本が地震大国であり、火山大国であるのもこのプレート運動が原因です。

プレートテクトニクスはほぼすべての科学者が認める理論ですが、プレートが運動する仕組みになるとまだまだ研究段階であるのが実情になります。地球の地下深部の探査が困難なことと、プレートの移動が非常にゆっくりなのが主な理由のようです。また、プレート運動はいまのところ太陽系では地球でしか見つかっていません。そのため、プレートテクトニクスにはまだまだ謎があると言えるでしょう。

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