
日本のような自然豊かな場所では、あまり意識することもないかもしれないが、地球は主に岩石からできている。特に我々が立っている地殻はほぼ岩石です。今回はその岩石のうち、代表的な火成岩について紹介しよう。
今回は物理学科出身のライター・トオルさんと解説していきます。

ライター/トオル
物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。
火成岩について

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地球は岩石型惑星に分類されているように主に岩石で構成されています。地表部分の岩石は3つに分類されていて、それは火成岩、堆積岩、変成岩です。火成岩は高温のマグマが冷えて固まった岩石であり、火成岩もマグマの冷却速度の違いにより2つに分類されていて、それは火山岩と深成岩になります。
堆積岩もいくつか種類があり、それは岩石や土砂などの砕屑物が固まってできる砕屑岩、化石が固まってできる生物岩、化学作用によってできる化学的沈殿岩、火山噴出物が固まってできる火山砕屑岩です。変成岩は温度や圧力の高い地下深部で、火成岩や堆積岩が変成してできるもになります。
今回はこの中から代表的な火成岩を紹介しましょう。ただし、以下でいろいろな火成岩の岩石がでてきますが、これは非常に人為的な分類であることを理解しておいてください。厳密に言えば、完全に同じ岩石というものは一つもありません。岩石ができた時の環境やその後の環境によって、それぞれに微妙な違いが存在します。したがって、岩石の分類というものは大まかなものなのです。
火山岩について

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火山岩は火成岩の一種であり、マグマが地下深くから上昇し、地表に噴出したり地表付近で急速に冷されてできた岩石です。急速に冷却されたため、肉眼では識別できないほど細かな結晶や非晶質の火山ガラスからなる石基の中に、マグマが地表に来た時点ですでに結晶化していたため、目に見えるほど大きな結晶(斑晶)があるという構造になります。ちなみに、これは斑晶構造と呼ばれるものです。
火成岩も二酸化珪素の含有比率によって玄武岩、安山岩、流紋岩に分別されています。基本的に二酸化珪素の含有量が少ないほど黒っぽい岩石で、含有量が多いほど白っぽい岩石です。
玄武岩について
不明 – http://resourcescommittee.house.gov/subcommittees/emr/usgsweb/photogallery/ , see also webarchive – resourcescommittee.house.gov, Basalt_jpg.jpg, パブリック・ドメイン, リンクによる
玄武岩は火成岩の一種で、二酸化珪素の含有量が45から52パーセントで斑晶構造があるもの、すなわち火山岩を指します。玄武岩は地表面で最も広く分布する岩石で、特に多く存在するのが中央海嶺やホットスポットの火山です。斑晶として、斜長石、輝石、かんらん石を含みます。玄武岩の名前は、兵庫県の玄武洞からとられたようです。玄武洞では玄武岩の六角形の柱状節理が存在します。
安山岩について
Ra’ike (see also: de:Benutzer:Ra’ike) – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
安山岩は火成岩の一種で、二酸化珪素の含有量が52から62パーセントで斑晶構造がある岩石を指します。安山岩は地球の大陸の主成分ですが、海底には少ないようです。斑晶として斜長石、輝石を主に含みます。アンデス山脈の火成岩andesiteの発音からこの名がつけられたそうです。
流紋岩について
パブリック・ドメイン, リンク
流紋岩は火成岩の一種で、二酸化珪素の含有量が70パーセント以上で斑晶構造がある岩石を指します。プレート収束境界の火山で安山岩に伴いよく見られる岩石です。斑晶は主に斜長石や石英になります。マグマが流れたときに形成される流れ模様(流理構造)の名前からこの名前がつけられたようです。
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