
3分で簡単「水溶液」!元家庭教師がわかりやすく解説

水溶液と言うんだから水に溶けていれば水溶液かと言えばそうではない。水溶液には大切な要素がある。1透明であること、2濃さが均一であること、3沈殿しないこと、だ。
水溶液はその性質はもちろん、濃度や密度といった計算問題が頻出だ。水溶液に関する計算は試験の時にはもちろん、実際に実験するときにできないと困る。そこで化学好きの実験下手、たかはしふみかが水溶液について説明していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/たかはし ふみか
高校では化学部に所属。顧問の先生に「薬学部はやめておけ」と言われたミス不器用。それでも化学の道に進みたいと工学部の化学系に進学し大学院修了後は化学工場に勤務と自分の好きな道を突き進んだ才能はないけど根性はあるリケジョ。
水溶液とはどんなもの?

image by Study-Z編集部
水溶液とは「物質が水に完全に溶け、均一な状態となっている」溶液のことです。ではそもそも溶液とはなんでしょうか?
溶液とは溶媒(物質を溶かす液体)に溶質(溶媒に溶ける物質)を完全に溶かして全体の濃さが均一となっている液体のことを言います。そして溶液のうち、溶媒が水のものを水溶液というのです。溶媒に溶質が溶ける現象は溶解と呼ばれています。
水溶液の特徴として、次の事を覚えてください。
・透明
水溶液は色がついていたとしても、向こうが透けて見える透明な状態になっています。
・濃さが均一
水溶液では溶質が完全に解けて均一になっています。そのため、どこをすくって濃度を測ったとしても同じ濃度になっているのです。
・放置しても沈殿しない
例えば泥水を振って置いておくといずれ下に土がたまってきます。一方、水溶液は上で説明したように溶質が完全に解けて均一になっているため、時間がたっても沈殿することはありません。
身近な水溶液の例

キッチンにあるものから水溶液を考えてみましょう。
例えば食塩水は溶質が食塩(塩化ナトリウム)の水溶液で、炭酸水は二酸化炭素が溶けた水溶液です。塩化ナトリウム水溶液のように分子やイオンが溶けた水溶液は「真の溶液」と呼ばれています。一方、牛乳はコロイド溶液という種類に分類されるのです。コロイド溶液とは、1nm~100nmの大きさのコロイド粒子が均一に散らばって(分散して)いる溶液のことをいいます。
コロイドについてはこちらの記事をどうぞ。
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理科室で水溶液を探すと
・塩酸 (溶質:塩化水素)
・アンモニア水 (溶質:アンモニア)
・BTB溶液 (溶質:ブロモチモールブルー(BTB))
があります。BTB溶液とは中学校の理科でおなじみの、アルカリ性、中性、酸性でそれぞれ青、緑、黄色を示す指示薬ですね。
ところで、勘違いする人が多いのですが塩酸は塩化水素が溶けた水溶液であり、塩酸という物質ではありません。塩酸をはじめ水溶液は混合物に分類されるので、注意してください。
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「混合物」と「化合物」の違いについて元研究員が解説 – Study-Z ドラゴン桜と学ぶWebマガジン

水溶液とは「溶媒が水」で「全体的に均一な濃度」になった「透明」な溶液の事なんだ。水に他の物質が溶けているんだから混合物となるのは当たり前だな。
ところでコロイド溶液には面白い現象がたくさんある。
そっちの記事も読んでみてくれよな。
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