

世界史に詳しいライター万嶋せらと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/万嶋せら
会社員を経て、イギリスに渡り大学院の修士号を取得したライター。歴史が好きで関連書籍をよく読み、中でも近代以降の歴史と古典文学系が得意。今回は「新大陸発見」について解説する。
新大陸とはどこのこと?
「新大陸発見」がどのような出来事なのかを知るために、まずは「新大陸」とは何かについて解説しておきましょう。
一般に新大陸と呼ばれるのは、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、そして南極大陸です。もともとヨーロッパ世界では、これらの大陸の存在は知られていませんでした。科学技術が今のように発達するまで、地球の全体像は把握されていなかったからです。その頃に製作されていた世界地図には、ヨーロッパとアフリカ、アジアが描かれているだけでした。それすらも位置関係や形状は正確にわかっておらず、アフリカとアジアはつながっていると考えている人もいたようです。
その後、航海技術や天文学の発展に伴い、地球がどのような地形なのかが少しずつ解明されていきます。そうした中で15世紀以降に新たにヨーロッパ世界で存在が認識されるようになったアメリカ大陸やオーストラリア大陸などが、「新大陸」と呼ばれているのです。
アメリカ大陸の「発見」
歴史の用語で「新大陸発見」と言うとき、ヨーロッパ世界が南北アメリカ大陸の存在を認識するようになった出来事を指しています。
アメリカ大陸が「発見」されたのは、15世紀から始まる大航海時代の序盤のことでした。初めてアメリカを見つけたヨーロッパ人は、探検家のコロンブス。コロンブスは1492年、ヨーロッパから西回りでインドにたどり着く航路を探す航海のさなかにアメリカ海域に到達したのです。
もちろん、アメリカにはそれよりも前から居住している人々がいました。また、歴史を紐解くと、実はコロンブス以前にも別の大陸からアメリカにたどり着いたことのある人はいたと言われています。しかし、西欧のキリスト教文化圏の人々にアメリカ大陸の存在が周知されたのは、コロンブスの航海以降のことでした。そのため、この出来事が「新大陸発見」と言われているのです。

コロンブスがアメリカを見つけたという話は、聞いたことがあるぞ。どのような時代だったのかを詳しく見てみよう。
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