中学理科で一度は学習する、シダ植物というグループ。植物学を学ぶ上では欠かすことのできない生物ですが、学校の勉強となると苦手意識を持つやつが多い。植物があまり身近でないと、種子植物とシダ植物の違いや、シダ植物特有の生態などがイメージしにくいよな。簡単に、わかりやすくシダ植物について復習しよう。
今回も、大学で分類学を中心に勉強していた現役講師のオノヅカユウを招いたぞ。
ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
シダ植物とは?
シダ植物は、植物の中でも維管束をもち、種子をつくらない植物をまとめて指す言葉です。漢字では「シダ」を「羊歯」と書きます。なぜ「羊の歯」と書くのか、には諸説あるようです。
本記事の最後にご紹介しますが、シダ植物の中には日本人が古くから利用してきたものも少なくありません。日本国内には700種ほど、世界には1万種ほどが存在しているといわれています。
シダ植物の特徴
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それでは、シダ植物で押さえておきたい特徴やポイントを3つご紹介しましょう。それぞれの項目についてしっかり押さえれば、種子植物との違いがよくわかるはずです。
#1 繁殖方法
シダ植物と種子植物を分ける最大のポイントは、繁殖方法の違いにあります。普段私たちが目にする花や野菜は種をまいて育てますよね。イモ類のように無性生殖が可能なものもありますが、基本的に種子植物は種子によって個体を増やしていきます。
一方、シダ植物は前述の通り種子をつくることができません。その代わりに、胞子を飛ばすことで繁殖します。
そもそも種子というのは、花が咲いた後にできるものです。ここから、種子をつけないシダ植物は花をつけないということがお分かりいただけると思います。
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