フランスフランス革命ブルボン朝世界史歴史

断頭台に消えた「マリー・アントワネット」を歴女がわかりやすく解説

3-2、フェルゼン伯爵の奔走で脱出するも失敗に

マリー・アントワネット一家はヴェルサイユ宮殿からパリのテュイルリー宮殿に移されたが、フェルセン伯爵の尽力でフランスを脱走し、オーストリアの兄レオポルト2世に助けを求めることに。

1791年6月20日、マリー・アントワネット一家は庶民に変装してパリを脱出。フェルセンはルイ16世とマリー・アントワネットを別々の馬車ではやく脱出するのを勧めたが、マリー・アントワネットは、家族全員一緒と聞かず、豪奢なベルリン馬車に、銀食器、衣装箪笥、食料品、ルイ16世のための酒蔵を積み込むという重装備のため馬車の進行速度がさらに遅れて逃亡計画もうまく進まず、結局、国境近くのヴァレンヌで身元が発覚して、パリへ連行されることに。

このヴァレンヌ事件で、ルイ16世とマリー・アントワネットは親国王派だった国民の支持も失うことに。

3-3、タンプル塔へ幽閉、そして処刑に

1792年にフランス革命戦争が勃発、マリー・アントワネットが敵軍にフランス軍の作戦を漏らしていると噂が立ち、8月10日、パリ市民と義勇兵がテュイルリー宮殿を襲撃、ルイ16世とマリー・アントワネット、2人の子供たちとルイ16世の妹のエリザベート王女はタンプル塔に幽閉。タンプル塔では家族一緒で楽器を演奏、子供たちに勉強を教えたりなど、束の間の家族団らんの時間もあり、待遇も悪くなかったということ。しかし1793年1月、革命裁判が行われ、ルイ16世に死刑判決が下り、斬首刑。

7月には王位継承者でルイ17世となった6歳のルイ・シャルル王子と引き離されたマリー・アントワネットはタンプル塔の階下に移され、ルイ17世は、後継人となったジャコバン派の靴屋アントワーヌ・シモンをはじめとする革命急進派からすさまじい虐待を受けることに。

マリー・アントワネットは8月2日にコンシェルジュリー監獄に移送、その後裁判が行われたが、マリー・アントワネットはほぼ無罪を主張したため裁判は難航。裁判所は息子のルイ17世の非公開尋問を行い、なんと「母親に性的行為を強要された」という無理矢理に近親相姦を犯した旨を証言させたが、マリー・アントワネットは傍聴席のすべての女性に対して無実を主張し、大きな共感を呼んだということ。しかし、判決を覆すまでには至らず、10月15日に革命裁判で死刑判決を受け、翌日、現在のコンコルド広場でギロチンにかかって処刑され、享年37歳で死去。

処刑の前日にルイ16世の妹エリザベートに宛てた遺書には、「犯罪者にとって死刑は恥ずべきものだが、無実の罪で断頭台に送られるなら恥ずべきものではない」とあるということ。

4-1、マリー・アントワネットの逸話

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Jean-Baptiste Gautier Dagoty (1740-1786) – 不明, パブリック・ドメイン, リンクによる

現在のフランス人のクロワッサンを食べてコーヒーを飲む習慣は、マリー・アントワネットがオーストリアからフランスにもたらしたという話とか、たいへん優雅なお辞儀をする女性だったとか言われていますが、他にも色々な逸話をご紹介しますね。

4-2、モーツァルトとの出会い

あの天才作曲家のモーツァルトは6歳の頃、父と1762年9月にウィーンへ旅行したのち、10月13日、シェーンブルン宮殿でマリア・テレジア女帝の御前で演奏、その後宮床で滑って転び、手を取って起こした7歳のマリー・アントワネットに「大きくなったら僕のお嫁さんになって」と言ったというエピソードは有名。

4-3、マリー・アントワネットの知性は

マリー・アントワネットの教育は、33歳で博士号を取得し、図書館司書でもあったヴェルモン神父が担当、文学、歴史、フランス語、フランス風習などの教育にあたったが、マリー・アントワネットの勉強はほとんど成果がなく、5分以上集中出来なかったということ。マリー・アントワネットは家庭教師を手懐けて勉強を回避する方法を身に付けていて、勉強するよりおしゃべりになったそう。ヴェルモン神父は、マリー・アントワネットに宿題を出したり講義をするのを諦めて、脈絡のないおしゃべりしか出来なくなったということで、フランス語は確実に進歩したが、知識や教養は身に付かず、生涯1冊の本も読んだことがないと言われるように。

母マリア・テレジアはマリー・アントワネットの性格について、多くの軽薄さ、熱意の不足、自分の意思を押し通そうとする頑なさがあり、誰かが意見をしようとすると巧みにかわす術を身につけている、ものごとに真剣に取り組まない言い訳の達人と認識していたということ。

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マリー・アントワネットが一冊くらい本を読んでいれば歴史は変わっていたかも、とか言われそうだな

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angelica