物理

3分で簡単「ニュートンの冷却の法則」理系学生ライターがわかりやすく解説

微分方程式を解いてみよう!

微分方程式を解いてみよう!

image by Study-Z編集部

先ほど、ニュートンの冷却の法則を微分方程式で記述すると、dQ/dt=-hS(T-Tm)となることを述べました。この微分方程式を、解析的に解いてみましょう。

まず、媒質中に置かれた物体の熱容量をCとおきます。このとき、dQ=CdTとなりますよね。したがって、微分方程式は、C(dT/dt)=-hS(T-Tm)と書き換えることができます。ここで、媒質の温度Tmを定数として扱うと、C(dT/dt)=-hS(T-Tm)は変数分離型の微分方程式となりますね

ゆえに、微分方程式はさらに変形することができて、(dT/ T-Tm)=-(hS/C)dtとなります。この式の両辺を積分し、Tについて解くと、T = αexp(-hSt/C)+ Tmという式が得られますね。最後に初期条件から定数αの値を求めましょう。冷却開始時における媒質中に置かれた物体の温度をT0とするとα=T0-Tmとなります。したがって、T = (T0-Tm)exp(-hSt/C)+ Tmとなるのです。

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物体の温度は、指数関数的に小さくなっていく。最終的には、周囲の温度へと漸近していくぞ。

ニュートンの冷却の法則を使って問題を解こう!

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では、ニュートンの冷却の法則を使って問題を解いてみましょう!「400℃に加熱された鉄球を、室温20℃の部屋で自然冷却すると、冷却開始後5分で280℃になった。このとき、鉄球の温度が100℃になるのは、冷却開始後何分であるかを求めなさい。ただし、鉄球の冷却はニュートンの冷却の法則に従うものとし、室温は常に20℃に保たれていることにする。」という問題です。

式にそれぞれの値を代入する

式にそれぞれの値を代入する

image by Study-Z編集部

この問題では、部屋の空気を媒質加熱された鉄球を媒質中に置かれた物体として考えます。Tm=(室温)T=(鉄球の温度)とすればよいですね。また、室温は常に20℃に保たれていることから、Tmは定数扱いとします。ですから、先ほど求めた式であるT = (T0– Tm)exp(-hSt/C)+ Tmを使うことができますね。

まず、冷却開始後5分の鉄球の温度は280℃であることから、(280+273)={(400+273)-(20+273)}exp{-(hS×5×60)/C}+(20+273)となりますね。ここでは、Tm=20℃=(20+273)K、T=280℃=(280+273)K、t=5分=(5×60)秒として計算しています。また、T0は冷却を開始したときの鉄球の温度であるので、T0=400℃=(400+273)Kとなりますよ。

次に、冷却開始後x分後に鉄球の温度が100℃になるとすると、(100+273)={(400+273)-(20+273)}exp{-(hS×x×60)/C}+(20+273)となります。T=100℃=(100+273)K、t=x分=(x×60)秒として計算しましたよ。この2つの式を用いて、xの値を求めてみましょう!

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室温を定数だと考えることがポイントだ。

方程式を解く

方程式を解く

image by Study-Z編集部

(280+273)={(400+273)-(20+273)}exp{-(hS×5×60)/C}+(20+273)を、-(hS×5×60)/Cについて解くと、-(hS×5×60)/C=ln(260/380)となります。同様にして、(100+273)={(400+273)-(20+273)}exp{-(hS×x×60)/C}+(20+273)を、-(hS×x×60)/Cについて解くと、-(hS×x×60)/C=ln(80/380)となりますね。

最後に、-(hS×5×60)/C=ln(260/380)と-(hS×x×60)/C=ln(80/380)から、h、S、Cを消去してxを求めます。xの値は、x=5×{ln(80/380)/ln(260/380)}≒20となりますね。したがって、冷却開始後20分後に鉄球の温度が100℃になることがわかりました。

\次のページで「ニュートンの冷却の法則をマスターしよう!」を解説!/

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