
3分で簡単「ニュートンの冷却の法則」理系学生ライターがわかりやすく解説

「ニュートンの冷却の法則」は、熱くなった物体が冷却されていく様子を数式で記述したものだ。この法則は、材料工学、機械工学などで広く応用されており、人類の科学技術を支える重要な道具になっている。ぜひ、この記事を読んで、「ニュートンの冷却の法則」を理解してくれ。
塾講師として物理を高校生に教えていた経験もある通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻しており、物理学も幅広く勉強している。塾講師として物理を高校生に教えていた経験から、物理の学習において、つまずきやすい点や勘違いしやすい点も熟知している。
ニュートンの冷却の法則とは?

ニュートンの冷却の法則は、媒質中に存在する高温の物体(固体)が冷却される様子を、測定実験を経て定式化したものです。ここでの媒質とは、空気などの気体、水などの液体のことですよ。高温の物体とは、熱いコーヒーが注がれたコーヒーカップなどをイメージすればよいでしょう。
つまり、ニュートンの冷却の法則を用いることで、冷たい空気中に置かれたコーヒーカップが、時間の経過とともにどのように冷めていくのかを予測することができるのです。このように、冷たい媒質中に置かれた物体が冷却されていく様子を考える場面は、工学分野で多く存在します。
電気製品から発生する熱を逃がすための放熱板の設計が良い例ですね。その他にも、熱を逃がさないようにするための断熱材の設計などの事例があります。ゆえに、ニュートンの冷却の法則は、身近な機器や材料を作るためには、必要不可欠なものなのです。

ニュートンの冷却の法則は、時間の経過に伴って、物体のもつ熱量がどのように変化するかを表すぞ。
ニュートンの冷却の法則の数式

image by Study-Z編集部
ニュートンの冷却の法則は、媒質中に置かれた物体の熱量Qの時間変化量は、媒質と媒質中に置かれた物体の温度差(T-Tm)に比例するというものです。このとき、熱伝達率hと媒質中に置かれた物体の表面積Sの積が、比例定数となります。熱伝達率hは、媒質と媒質中に置かれた物体の形状や物理的性質などによって決定される固有の値です。
これを、微分方程式で記述すると、dQ/dt=-hS(T-Tm)となりますよね。dQ/dtは、媒質中に置かれた物体の熱量Qの時間微分を表しています。この式によると、媒質と媒質中に置かれた物体の温度差(T-Tm)が大きいとき、媒質中に置かれた物体の熱量Qの減少速度は大きくなることが分かりますね。一方、媒質と媒質中に置かれた物体の温度差(T-Tm)が小さいときは、逆の現象が起きます。

ここからは、数学的な処理も含まれてくるが、頑張ってついてきてくれ。
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