化学物質の状態・構成・変化理科

化学方程式を理解するカギ「気体反応の法則」を元塾講師がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「気体反応の法則」について詳しく勉強していこう。

化学反応では気体が反応物であったり、生成物になることが多々あるよな。今回学ぶ法則は、気体が関与する反応で成り立つ法則なんだ。

これに関係する法則もあわせて化学に詳しいライターAyumiと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Ayumi

理系出身の元塾講師。わかるから面白い、面白いからもっと知りたくなるのが化学!まずは身近な例を使って楽しみながら考えさせることで、多くの生徒を志望校合格に導いた。

1.気体が関わる方程式

image by iStockphoto

まずは今回の法則が当てはまる化学反応の一例から見ていきましょう。

水素と酸素の燃焼により水が生じる反応式は最も基本となる化学反応式ですね。生成するのは水(液体)ではなく水蒸気(気体)としてもこの式は成り立ちます。

2H2 + O2 → 2H2O

反対に、水の電気分解を例にしてもいいでしょう。

 2H2O → 2H2 + O2

続いて、窒素と水素の反応によってアンモニアが生じる化学反応式です。

N2 + 3H2 → 2NH3

一酸化炭素と酸素の反応で二酸化炭素になる反応もこれに当てはまりますね。

2CO + O2 → 2CO2

なぜこうなるの?という人は、化学式の作り方に戻って復習しておきましょう!

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新しいことを覚えるときは、必ず過去に習ったこととセットにして覚えるようにしよう!復習にもなるし、より理解しやすくなるんだ。

2.気体反応の法則とは

2.気体反応の法則とは

image by Study-Z編集部

「気体反応の法則」はゲイ・リュサックによって発見された2種類以上の気体が関与する化学反応(上記のような反応)において成り立つ化学法則です。2種類以上の気体というのは、それが反応に必要な反応物であるか、反応によって生じた生成物であるかは関係ありません。また、2種類以上の原子から成り立つ化合物であっても、1つの原子から成り立つ単体であっても構いませんよ。

これらの反応における気体の体積は同じ圧力・温度の条件下で簡単な整数比が成り立つというのがこの法則の主旨です。

水素と酸素が反応して水蒸気が生じる反応では、3種類の気体が関与していますね。この場合、[反応物である水素] : [反応物である酸素] : [生成物である水蒸気] = 2 : 1 : 2 という体積比が成立します。これは以下の反応式における係数と一致していることがわかりますね。

2H2 + O2 → 2H2O

また、「気体反応の法則」という名称は原義との整合性が悪い(法則そのものの意味とのズレがある)ことから、現在「反応体積の法則(反応体積比の法則、気体反応体積の法則)」への変更を提案されています。このほうが法則の内容が想像しやすいと思いませんか?

\次のページで「3.合わせて覚えたい2つの説」を解説!/

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