物価上昇を防ぐ株仲間結成の許可と米の価格操作
吉宗は物価対策も行いました。現状問題として挙がっているのは物価の上昇、この問題を解決するため株仲間結成を認めます。株仲間とは、商工業者が幕府や藩から許可を得て結成した同業組合のことで、株仲間の結成を許可すれば独占的な営業が起こるでしょう。
ただそうなれば商人同士の競争がなくなり、物価が安定すると読んだのです。また米価対策にも取り組んでおり、堂島の米市場を公認して米の価格操作を図ろうとしました。大名や商人に米の買い占めを許可することで米の流通を減らし、米の価格を上げようとしたのです。
米の価格下落は市場に米が溢れているからで、それが希少となれば必然的に価格は上がりますからね。ただこれはうまくはいかず、そこで吉宗は貨幣改鋳の政策に切り替えました。貨幣改鋳とは金や銀の元文金銀を新たに発行して流通させ、貨幣量を増やして物価を安定させるのが目的です。
裁判所の負担を減らした相対済令と公事方御定書
さて、当時の日本は経済以外の問題も起こっており、それは人と人のトラブルです。生活の貧しい役人は商人からお金を借り、それが元でトラブルになるケースが多く、また取引によるトラブルや犯罪の増加もあって、そのたびに訴訟に至っていました。
こうなると手一杯になってしまうのが裁判、そこで吉宗は相対済令を発令して金銭関連のトラブルは当事者同士での解決を促します。つまり、「何でも裁判にすると訴訟の数が膨大で裁判所の負担が大きい。だから金銭トラブルくらいは自分達で解決しよう」と言っているのでしょう。
そして裁判を迅速に行うための政策がもう一つ、それが法令集となる公事方御定書です。これは今までの裁判の判例をまとめたもので、ある罪に対する刑罰を確定でき、要するに裁判の基準を決めるためのもの。裁判の基準を決めればそれだけ裁判も早く終わり、これもまた裁判所の負担軽減につながりました。
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