溶かして使ってコストダウン「熱可塑性樹脂」のメリットを理系ライターがわかりやすく解説
「なぜわざわざ、すぐ溶ける材料を使うんだ?」実は変形させやすいのがメリットの1つ。すぐ変形する=自由自在に形を作れると言える。
このような、熱によって軟化する樹脂「熱可塑性樹脂」についてR175と解説していく。ちなみにこの記事では樹脂≒プラスチックと考えよう。
ライター/R175
関西のとある理系国立大出身。エンジニアの経験があり、身近な現象と理科の教科書の内容をむずびつけるのが趣味。教科書の内容をかみ砕いて説明していく。
1.自由自在に形を作れる不思議な材料
加熱すると柔らかく、軟化してドロドロした状態になり、冷やすと固まる樹脂(プラスチック)のことを「熱可塑性樹脂」といいます。
柔らかい状態にすれば、自由自在に形を変えられるのが特徴。
1-1.プラスチックの加工~切削~
プラスチック(樹脂)を好きな形に加工したい。どのような方法があるでしょうか。
作りたい形状より大きい素材から、余分な部分を削り取ってしまえば、目的の形状が得られますね。それが「切削」という加工方法。旋盤やボール盤などの工具を使って、綿密に削り取っていきます。
image by Study-Z編集部
コップ内部はまるまる削ってさようなら。仮に素材が直径50mm、高さ100mmとして、そこから厚みを2mmだけ残して削りコップを作ったとしましょう。
1-2プラスチックの加工~成形~
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2.熱可塑性樹脂の特徴
image by Study-Z編集部
温度を上げると、原子の運動が激しくなるため、高分子の糸1本1本が動きやすい状態に。
糸と糸のつながりは弱い状態です。(あまり効かない糊でくっついていると思ってください。)
糸は自由に動けるため、押したり引いたりして自由に形を変えられます。液体のような状態です。
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