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世界を巻き込んだ人類史上最大の戦争「第二次世界大戦」を元塾講師が分かりやすく5分でわかりやすく解説

ポーランドに要求するドイツ、ポーランドを守るフランスとイギリス

1939年のこと、ドイツはチェコスロバキアに対して今度はチェコスロバキアの国自体の解体に乗り出します。工業の発展が目覚ましいチェコスロバキアは軍事力を高める上で絶好の国、ファシズムの思想を掲げるドイツとしては、喉から手が出るほど欲しかったのでしょう。

こうして、ドイツはチェコスロバキアの解体に成功して西部のチェコを併合、東部のスロバキアを保護国に置きました。そして、次にドイツが狙いを定めたのがポーランド、何しろドイツは第一次世界大戦の敗戦時に領土を取られていますから、それを返還するように要求したのです。

一方のポーランドはそんなドイツの要求を断固拒否。両国が対立する中、ミュンヘン会議で不覚をとったフランスとイギリスが動きます。イフランスとイギリスはポーランドに対して安全保障条約を締結、それはフランスとイギリスがドイツと戦う覚悟を決めた瞬間でもありました。

第二次世界大戦の勃発

その頃、ドイツと共にファシズムの思想を掲げるイタリアも行動を起こしており、アルバニアを併合して領土の拡大を成功されていました。さて、フランスとイギリスの行動に対して悩むドイツ、戦争を始めると思いきや、意外にもソ連と手を組むことにしたのです

そもそもドイツの場所はフランス、イギリス、ソ連の間に位置しており、仮にフランス・イギリスを戦争を起こした場合にソ連を敵に回してしまうと完全に挟み撃ち状態。一方のソ連も、ドイツを敵に回してしまうと警戒中の日本と挟み撃ち状態になってしまうため、手を組むことはお互いにとって有益なのでした。

早速ドイツとソ連は独ソ不可侵条約を締結させ、お互いの領土を攻めないことを決めます。これでソ連を怖れることなく戦争できるドイツはポーランドへの侵攻を開始、これに対してフランスとイギリスは安全保障条約に基づいてドイツに対して宣戦布告、こうして1939年に第二次世界大戦が勃発したのです。

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ドイツはポーランドにも目をつけて過去に失った領土の返還を要求。ポーランドはこれを拒否、さらにフランスとイギリスがポーランドとの安全保障条約を締結させ、ポーランドに侵攻するドイツに宣戦布告、これが第二次世界大戦の始まりだ。

ドイツの快進撃

image by PIXTA / 45196063

フランスの降伏とイタリアの参戦

フランスとイギリスの宣戦布告に怖れないドイツ、ポーランドに侵攻した早々占拠に成功します。さらに手を組んだソ連もポーランドを攻め、ポーランドの西側をドイツ、東側をソ連が支配しました。さらにドイツはデンマークとノルウェーにも侵攻、その後はベルギーへ、さらにその後はフランスも降伏させる勢いを見せます。

まさに快進撃が続くドイツ、この様子を見たイタリアもドイツ側について第二次世界大戦への参戦を表明、これで危ない立場となったのがイギリスでした。既にフランスを降伏させて占領したためドイツはイギリスの本土に対する空爆も可能、イギリスからすれば周囲の国が敵だらけの状態になってしまったからです。

スイスやスペインなどは中立的な立場を取っていたため味方とは言えず、フランスが降伏してドイツとソ連に囲まれたイギリスは完全に不利でしょう。一方その頃、第二次世界大戦が起こる前に戦争を始め、未だなおその戦争を続けている国がありました。それは日本と中国です。

日独伊三国軍事同盟の締結

1937年、日本と中国は日中戦争を起こし、その戦争は第二次世界大戦が始まっても続いているほど長期化していました。小さな島国である日本の軍事力は長期戦には向いておらず、そのため日本は現状打破を目的にドイツ・イタリアと同盟を結ぼうと考えます。

同盟はあっさりと締結、1940年に日独伊三国軍事同盟を締結させました。快進撃を続けるドイツ、そのドイツの勢いに惹かれてドイツ側として参戦したイタリア、日中戦争の長期化打破のためにドイツ・イタリアと同盟を結んだ日本……三国は勝利の未来が見えていたに違いありません。

しかし1941年、三国にとって戦況が一変しかねない出来事が起こりました。それは、これまで中立の立場をとって静観していたアメリカがイギリスに援助を始めたことです。これで力を得たのが当然イギリス、アメリカという強力な味方を得たことで、空爆を続けるドイツ軍に対抗できるようになりました。

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