日本・ドイツ・イタリアなどの枢軸国とアメリカ・イギリス・フランス・ソ連などの連合国との間で起こった人類史上最大の戦争。今回は第二次世界大戦について世界史に詳しいライターリュカと一緒に解説していきます。
ライター/リュカ
元塾講師で、現役のライター。塾講師とライター業に共通して「わかりやすい伝え方」に定評がある。今回は得意分野のひとつである「歴史」から第二次世界大戦をわかりやすくまとめた。
世界恐慌に苦しむドイツとイタリア
第一次世界大戦で敗北したドイツは領土を失い、さらに巨額の賠償金が請求されました。それに追い打ちをかけるようにして起こった世界恐慌、これに対してアメリカはニューディール政策、イギリスやフランスはブロック経済政策で乗り切ろうとします。
これらの政策は自国、植民地、自治領の間だけで貿易を行うというもので、他国からの輸入は税金を高くかけて防ぎ、自分達に関わる国だけで経済の交流を活性化させるのが狙いでした。この仕組みから分かるとおり、これは植民地や自治領が多ければ多いほど効果的な政策です。
逆に、植民地を持たない国からすれば輸出品に高い税金をかけられることで貿易悪化が加速、そして当時植民地を持っていなかったのがドイツとイタリアでした。ドイツは第一次世界大戦によって領土を失っていますし、イタリアは勝利したとは言え、領土を得たわけではなかったからです。
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ヒトラーとムッソリーニの出現
こうして危機的状況に陥るドイツとイタリア、しかし両国にはカリスマ性を持つリーダー的人物が現れます。ドイツに現れたのはヒトラー、イタリアに現れたのはムッソリーニ、彼らは独裁政治による軍事力増強と海外進出を思想とするファシズムの考えの持ち主でした。
そこでまず行動を起こしたのがドイツ、1937年に東方への拡大政策を宣言したヒトラーは翌年にオーストリアを併合。さらにチェコスロバキアに対してズデーテン地方を領土として渡すよう要求します。ドイツの要求は、イタリアの仲介によって開かれたミュンヘン会議にてドイツ・イタリア・フランス・イギリスで議論されました。
フランスとイギリスが会議に参加したのは、これらの国がチェコスロバキアの後ろ盾になっていたためですが、結果的にドイツの要求が通ることになったのです。フランスとイギリスの思わぬ柔軟な態度に味を占めたドイツ、今度はチェコスロバキアに対してさらなる要求をするのでした。
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