
2-2.分子運動の原動力
分子運動は隣同士で連鎖的に伝わるのですが、それはなぜでしょうか。ボールを振り回しているからと言って、隣のボールも動き出すわけではありません。
もし糸でつながっていれば、動きは連鎖しますが、原子と原子は糸でつながってるのでしょうか。
模式的にはそんな絵で説明されますが、実際「糸」があるわけではないです。
ではどうやって隣の原子に運動が連鎖するのか。

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運動が連鎖する原因は「電荷」
すべての原子は+電荷からなる「原子核」とー電荷からなる「電子」から構成されています。ある原子が運動しているとしましょう。
+電荷同士orー電荷同士は退け合い、+電荷とー電荷は引き付け合うもの。ある原子が動く=ある原子核(+電荷)が動くわけです。すると当然、周辺の電子(-電荷)は動いている原子核(+電荷)についていき、周辺の原子核(+電荷)は逃げていきます。
つまり、1つの原子が運動すると、周りの原子も影響されて運動するわけです。
3.人間が感じる「熱」の正体
ヒトは何をもって熱いや冷たいを判断しているのでしょうか。
実は、上述の分子運動によってぶつかってくるエネルギーを「熱」と認識しています。繰り返します、熱源は「ぶつかってくるエネルギー」です。
3-1.「熱い」と「痛い」の本質は同じ
「ぶつかってきたら熱いではなく痛いじゃないのか?」
その通り、「痛い」とも言えます。実は「熱い」と「痛い」は同じなのです。
小さい物がぶつかってきたら「熱い」と感じ、大きい物がぶつかってきたら「痛い」といったイメージ。実際に何mmまでのものが「熱い」で何mm以上が「痛い」といった決まりはありません。「熱い」のか「痛い」のかは感じた人の判断次第ですね。
砂嵐
例えば、砂場の砂を勢いよくぶつけられた時、「熱い」ですか「痛い」ですか。
どっちとも言えそうですね。粗い砂が多いと「痛い」でしょうし、細かい砂だと「熱い」ところ。
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