戊辰戦争の結末
江戸無血開城が行われた後も戊辰戦争は続きます。いくつもの戦いを経て、最後の舞台となったのは北海道の箱館。江戸無血開城の結末から分かるとおり、既に徳川慶喜には新政府軍と争う意思などありませんでしたが、旧幕府軍の家臣達はそれでも新政府軍に抵抗して戦いを続けました。
そして決戦の舞台となる箱館の五稜郭、幕末においてその名を知らしめた新選組の土方歳三も戦場に立ちますが、新政府軍の総攻撃を受けたことで戦死。旧幕府軍はとうとう抵抗する術がなくなり、1年以上続いた戊辰戦争はこの箱館戦争によって決着がつきました。
戊辰戦争は幕末に不満を持つ人々が立ち上がり、天皇による新たな政治の実現のために起こった戦争です。戊辰戦争で勝利した新政府軍は明治政府として新たに明治時代を作っていきますが、果たしてそれは討幕を志した武士達にとって望むべき時代になったのでしょうか。
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明治時代の日本
明治時代になると、多くの武士が失望することになります。明治政府が目指したのは外国と対等な関係を築けるほどの近代国家であり、そのため武士はこれまでの特権が失われ、たちまち明治政府に不満を持つようになり、そんな武士達を不平士族と呼びました。
明治時代当初は戊辰戦争の功績で得ていた収入も得られなくなり、明治政府の打ち出した政治政策によって最終的には刀まで奪われてしまいます。このため、日本の各地で明治政府に不満を持つ不平士族による反乱が立て続けに起こるようになりました。
その反乱はやがて西南戦争と呼ばれる大きな戦争に発展。江戸無血開城で功績を残し、明治維新で明治政府に尽力した西郷隆盛が反乱軍のリーダーとなって巨大な明治政府に戦いを挑むことになります。しかしそれはまだ少し先のこと、江戸無血開城を実現した西郷隆盛はこの時確かに英雄だったのです。
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西郷隆盛だけに注目してしまうと江戸無血開城は理解できない!
江戸無血開城は西郷隆盛の活躍によって実現しましたが、それは西郷隆盛にとって心を動かされる出来事が起こったためです。そして、その出来事を知るには旧幕府側の動向を知らなければなりません。
つまり、西郷隆盛だけに注目してしまうと江戸無血開城は理解できないのです。つまりポイントは西郷隆盛に的を絞らないことで、特に篤姫や勝海舟は絶対に抑えておかなければならない人物でしょう。













