化学

5分でわかる!「強酸」と「 弱酸」の違いを元家庭教師が解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「強酸」と「弱酸」について説明するぞ。

液体は㏗によって「酸性」、「中性」、「塩基性」に分けられる。中性のpHは7で、酸とは㏗が7より小さい物質のことだ。そして㏗がより小さいほど物質は強酸となり、中性に近づくほど弱酸となる。この強酸と弱酸の分かれ目は電離度にあるんだ。水素イオンがほとんど電離し、電離度がほぼ1となるのが強酸、一部しか電離しないのが弱酸となる。強酸といえば塩酸や硫酸が、弱酸といえば酢酸やクエン酸が有名だな。

酸に関する知識はテストや入試はもちろん、大学での実験に欠かせない。これを機にしっかりと覚えてくれよな。というわけで、酸と強酸について以前酢酸がかかって火傷をしたことのある元家庭教師のリケジョ、たかはしふみかが解説するぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

たかはし ふみか

ライター/たかはし ふみか

高校生の時、指示薬の研究をしていた元化学部部員。国公立大学の化学科に在籍し新エネルギーの研究をしていた。実験中の事故で火傷をしてしまい、強アルカリや酸の怖さを身を持って体験している。

「酸」と「塩基」のおさらい

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強酸と弱酸について学ぶ前にまず、「酸」と「塩基」についておさらいしましょう。

「酸とアルカリ」いえば中学校の理科の授業でリトマス試験紙を赤くするのが酸性青くするのがアルカリ性と習いましたね。高校では酸と塩基として学びます。塩基とは㏗が7よりも大きい物質のことで、その中で水に溶けやすいものをアルカリといのです。酸は酸っぱい味がします。一方、塩基性の物質には苦みがあり、触るとぬるぬるとした感触なのが特徴です。

「酸」と「塩基」は次のように定義されています。

酸の定義
アレニウスの定義  水中で水素イオンHを生じるもの 
ブレンステッド・ローリーの定理 水素イオンHを他の物質に与えるもの

塩基の定義
アレニウスの定義 水中で水酸化物イオンOHを生じるもの  
ブレンステッド・ローリーの定義 水素イオンHを他から受け取るもの

水素イオンの挙動が酸かアルカリかを見極めるポイントとなっています。

ちなみに、酸性とアルカリ性の間にあるpH7の物質は中性ですね。

酸と塩基についてもっと知りたい人はこちらの記事をどうぞ。

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まずは酸とアルカリの定義をしっかりと覚えてくれ。

そして酸とアルカリを深く理解するためには対数の知識なども必要となってくる。

化学をしっかり学ぶためにも数学や物理をしっかり勉強するように。

「強酸」と「弱酸」の違い

「強酸」と「弱酸」の違い

image by Study-Z編集部

強酸と弱酸の違いは電離度にあります。電離度とは電解質が水溶液中で電離する割合のことで、水温や濃度によって異なるので注意してください。なお上の図に示した電離度は、25℃、0.1mol/Lのときです。強酸、強塩基の電離度は1に近く弱酸、弱塩基になると1よりもずっと小さな数字となります。

ただし、弱酸といってもかかったら火傷などのケガにつながります。特に原液を使って実験するときなどは気を抜かず、もしかかってしまったら素早く洗い流し、適切な処理を行いましょう。試薬をこぼさないことはもちろん、白衣を着るなどの対策も重要です。

強酸と言えばこれ!BEST3

では強酸に具体的にどのような物質があるのか確認していきましょう。

酸の代表格!塩酸

塩酸は塩化水素(HCl)を水に溶かした水溶液です。実験室にある塩酸は大体濃度35~37%のものですが、用途にあわせて他の濃度の塩酸も売られています。高校で塩酸を使う実験といえば中和滴定、金属のイオン化傾向を確認する実験が一般的です。塩酸はイオン化傾向(陽イオンへのなりやすさ)が比較的大きな亜鉛やニッケルなどを溶かすことができます。

塩酸は濃度が10%を超えると劇物に指定される物質です。そのため家庭用のトイレ用洗剤などで塩酸が入っているものがありますが、その濃度は10%以下となっています。ただし、薄まっていたとしても危険な物質であることは変わりません。取り扱う際には十分気を付けましょう

試験にも頻出!2価の酸、硫酸

硫酸の分子式はH2SO4、ひとつの硫酸からふたつの水素が放出される2価の酸です。中和滴定の際、1価の酸の塩酸と2価格の酸の硫酸では考え方や計算方法が異なるので注意しましょう。

硫酸はその濃度によって濃硫酸と希硫酸があり、質量%が90%以上のものを濃硫酸、90%未満のものを希硫酸といいます。硫酸も金属と反応しますが、希硫酸と濃硫酸で反応性は異なり、希硫酸は常温で塩酸と同じくらいのイオン化傾向の金属と反応するのです。一方、熱濃硫酸は水銀や銀とも反応することができます。

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たかはし ふみか