
「アセトン」ってどんな物質?沸点や性質・使い方も元家庭教師が簡単にわかりやすく解説!
アセトンと沸点
水素結合は基本的に電気陰性度の大きいフッ素、酸素、窒素といった電気陰性度の大きい原子と結合した水素しかすることができません。そのためアセトンには水素結合がなく、沸点が水より低くなっています。
その一方、同じくらいの分子量のエチルメチルエーテル(60.10 g/mol )の沸点は10.8℃、ブタン(58.12 g/mol)が⁻0.5℃なので、アセトンがこれらの物質よりもかなり極性が高いと言えますね。
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あなたの家にもある?アセトンの用途
アセトンがどんなところで活躍しているか確認していきましょう。
実験にも後片付けにも役立つ!実験室に必要不可欠なアセトン

先ほどから紹介しているようにアセトンは化学の実験現場に欠かせない物質です。アセトンを出発として作る合成物はあまりなく、原料になる機会は少ないですが
・実験の時の溶媒
・試薬などが付いた器具の洗浄
・器具の乾燥
と様々なシーンで活躍。そのため、研究室や工場では一斗缶や大きなドラムで備蓄されていて洗浄瓶や500mlの薬品瓶に小分けして使われています。
マニキュアを楽しんだ後はきれいにオフ、除光液

爪をきれいに彩るネイル。それを落とすのに使われているのがアセトンです。マニキュアはラッカー塗料とその成分はほとんど同じで、アクリルやニトロセルロースを有機溶剤に溶かして作られています。有機溶剤を落とすことはアセトンの得意分野ですね。
健康被害が比較的少ないアセトンですが、脱脂性が強く爪を痛めてしまう事も。そのため、ノンアセトンの除光液も売られています。爪が弱い人は買う前にきちんと製品に含まれる成分を確認しましょう。また、ストーブやドライヤーなどの側で使うと使うのも危険です。特に密閉した部屋では揮発によって空気中のアセトンの濃度が高くなり、引火することがあります。
除光液は油性ペンを消したり、テープをはがした後のべたつきを取ることもできるので、家に1本あると便利です。
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