
「鳥とはどんな生き物か?」を説明できない人はいないと思うが、鳥の種類や分類についてはよく知らない人も少なくないでしょう。鳥類の分類を俯瞰して、鳥がどんなグループに分けられているのかを見ていきたい。記事を読み終わったとき、君はきっと窓の外に鳥の姿を探しているはずです。
大学で分類学を中心に勉強していた現役講師のオノヅカユウを招いたぞ。

ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
鳥類とは?
鳥の仲間をまとめて鳥類とよんでいますが、私たちにとって鳥はとても身近な生き物ですよね。皆さんは現在何種類ぐらいの鳥が地球上にいるかご存知ですか?文献によって多少の差はありますが、その総数は1万種前後といわれています。
分類学上、昔から鳥の仲間は鳥綱というグループにまとめられていました。ところが、羽毛をもつ恐竜がいたことを証明する化石や、すでに絶滅した鳥に近い仲間の化石の発見、DNAに基づく分類の見直しなどから鳥の分類に関する研究が進み、最近では「鳥類を爬虫類(爬虫綱)の中にふくめ、鳥亜綱とする」という見方が有力になっています。
鳥類の特徴
鳥類に共通する代表的な特徴としては以下のようなものがあります。
・体が羽毛に覆われている
・前肢は翼になっていて、後肢で二足歩行を行う
・卵から生まれる(卵生)
・くちばしがある。歯はないものが多い
とくに、「翼で空を飛ぶことができる」のは、鳥類がもつ特殊な性質です。当たり前のようですが、空を自在に飛べるのは脊椎動物の中では鳥とコウモリくらいしかいません。翼が必要なだけでなく、飛翔するために骨を軽くしたり、強く羽ばたくための筋肉をつけたりと、体のあちこちに他の動物との違いが見られます。
鳥類の分類
前述の通り、鳥類の分類は化石の発掘や分類方法の進歩によって変化してきた歴史があります。今後分類体系が変わる可能性もありますが、今回は近年広く認められてきている鳥類の分類をご紹介しましょう。
現代に生き残っている鳥類は大きく2つのグループに分けられています。古顎類と新顎類です。
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