
気体の溶ける量と圧力の関係「ヘンリーの法則」を元研究員がわかりやすく解説
2-5.混合気体の場合
溶解度が小さい気体同士の混合気体では、それぞれが独立して溶けます。
例えば、酸素と窒素の混合気体が水に溶けるとき、酸素は酸素のみが存在する場合と同じように溶け、窒素は窒素のみが存在する場合と同じように溶けるのです。
つまり溶ける量は混合気体の場合、お互いの影響を受けないと考えます。
ヘンリーの法則とは気体の溶ける量と圧力の関係を表した法則
ヘンリーの法則とは気体の溶ける量と圧力の関係を示した理論で、溶媒に溶けにくい気体にのみ成立する法則です。
気体の質量と物質量(モル数)については「一定温度の下で一定量の溶媒に溶ける気体の質量(または物質量=モル数)は、その気体の圧力に比例する。」と定義されています。
そして、気体の体積については「一定温度の下で一定量の溶媒に溶ける気体の体積は、その圧力で一定となる。」という定義です。
この2つの理論は一見矛盾しているように見えますが、実は同じことを言っています。
気体の体積は圧力が 2 倍になると 1 / 2 になります。それなので圧力が P の時に V だった体積は、圧力が 2 P になると 1 / 2 になり、そこに n モルの気体が集まっているため、体積は一定でも質量及び物質量は比例するのです。