この記事では英文法の重要項目「状態動詞」について解説する。

状態動詞は「動作」ではなく「状態」を表す動詞ですが、その典型例や扱う上での注意点さえ覚えれば、あっという間に使い方をマスターできるぞ。

国立大文学部卒業で、現役の英語講師でもあるライターすけろくを呼んです。さあ「状態動詞」攻略の授業を始めようか。

ライター/すけろく

現役英語講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく

「状態動詞」の意味・用法とは?

image by iStockphoto

「状態動詞」とは、動作や作用ではなく状態や存在を表す動詞のことを指す言葉です。これに対して、動作や作用を表す動詞を「動作動詞」といいます。

状態動詞は、さらに存在動詞・心理動詞・知覚動詞などに細かく分類することが可能です。具体的には「be動詞」や「love」、「sound」などがこれらに当てはまります。

そして、状態動詞を取り扱うときに気をつけてほしいのが、進行形にできるかどうかの判断です。通常、状態動詞は進行形にすることができません。(もちろん、例外は存在します)

仮に表面上の訳が「~している」となっていても、現在進行形ではなく現在形を用いて表します。

したがって、英語の学習をする上で状態動詞とはどういうものか、どのような種類があるのかを前もって知っておくことが重要です。

「存在動詞」の意味・用法

「存在動詞」は、人や物の存在を表す動詞です。一般的には「いる」「ある」と訳されます。

代表的な存在動詞は、やはり「be動詞」でしょう。そして、「lie」「exist」がこれに続きます。

これらは、場所を表す副詞句をともなって使われるのが普通です。では、それぞれを例文で確認してみましょう。

There was a big pine tree near my house.
自宅の近くには、大きな松の木があったんだ。

I think the problem lies in Japan's social structure.
問題は、日本の社会構造にあると僕は思うよ。

It is believed that God exists.
神は存在すると信じられています。

「心理動詞」の意味・用法

「心理動詞」は、人の心理状態を表す動詞です。代表的な心理動詞には、「love」「hate」「hope」などがあります。

これらは、「愛している」「望んでいる」のように「~している」と日本語に訳されていても、そもそも動作ではないのでけっして進行形にはなりません

英作文の際には、十分に気をつけてください。では、例文で確認してみましょう。

I love working here in Japan.
私は、ここ日本で働くのが大好きなんだ

I hate practicing soccer on Sunday.
日曜日にサッカーの練習なんて大嫌いだ

I hope you like it.
君が気に入ってくれることを願っているよ。

\次のページで「「知覚動詞」の意味・用法」を解説!/

「知覚動詞」の意味・用法

「知覚動詞」とは、人間の五感に関する動詞のことです。五感には、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚があり、英語にもそれぞれに対応したことばが存在します。

中でも、「look」「sound」「taste」はテストでも問われやすい動詞です。これらは、直後に形容詞をともなうという特徴があります。

では、それぞれ例文で確認していきましょう。

She looks much younger than she really is.
彼女は、実際よりもずっと若く見えます

That sounds so awesome to me.
それは、わたしにはとても素晴らしく聞こえますが。

A good medicine tastes bitter.
良い薬は、苦い味がします。(=良薬は口に苦し)

「状態動詞」は進行形にならない?

心理動詞は、絶対に進行形にはならないのでしょうか。答えは、原則「ならない」が正解ですが、例外的に「なる」場合もあります。

では、いったいどういう場合に進行形にできるのでしょうか。

1.「一時的に」そうなっている場合
2.同じ動詞が「動作動詞」として用いられている場合

ひとつめの「一時的に」そうなっているというのは、ふだんは違うのだけれどもという意味が暗に示されています。

もうひとつの場合は、たとえば「taste」が「味がする」という意味ではなく「味わう」という意味で使われているようなケースです。

所有を表す状態動詞の「have」も、「食べる」「飲む」の意味で用いられれば進行形にできます。

それぞれを例文で確認しておきましょう。

He is usually very calm, but he is being nervous now.
彼はふだん冷静なのだが、今だけは神経質になっている

He is tasting her dishes now.
彼は今、彼女の料理を味わっているところだ

We are having some pizza now.
私たちは今、ピザを食べているところです

\次のページで「「状態動詞」はすぐにはやめられない!」を解説!/

「状態動詞」はすぐにはやめられない!

「状態動詞」についてある程度は分かったものの、まだ不安が残るという人におすすめの見分け方があります。

それは、「動作」か「状態」かを見分ける際に、自分の意志ですぐにやめられるかどうかを考えてみるというものです。

たとえば、「においをかぐ」という動作はいつでも簡単にやめることができます。

ところが、「香りがする」というのは、やめようとしても自分の意志ではどうにもならないものです。

このように、同じ「smell」でも表す意味合いによっては動作動詞にも状態動詞にもなります。

どちらの種類の動詞か悩んだら、この便利な方法をぜひ実践してみてくださいね。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 英語速攻攻略を目指す!「状態動詞」を現役英語講師がわかりやすく解説 – Study-Z
英語の勉強法

英語速攻攻略を目指す!「状態動詞」を現役英語講師がわかりやすく解説

この記事では英文法の重要項目「状態動詞」について解説する。

状態動詞は「動作」ではなく「状態」を表す動詞ですが、その典型例や扱う上での注意点さえ覚えれば、あっという間に使い方をマスターできるぞ。

国立大文学部卒業で、現役の英語講師でもあるライターすけろくを呼んです。さあ「状態動詞」攻略の授業を始めようか。

ライター/すけろく

現役英語講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく

「状態動詞」の意味・用法とは?

image by iStockphoto

「状態動詞」とは、動作や作用ではなく状態や存在を表す動詞のことを指す言葉です。これに対して、動作や作用を表す動詞を「動作動詞」といいます。

状態動詞は、さらに存在動詞・心理動詞・知覚動詞などに細かく分類することが可能です。具体的には「be動詞」や「love」、「sound」などがこれらに当てはまります。

そして、状態動詞を取り扱うときに気をつけてほしいのが、進行形にできるかどうかの判断です。通常、状態動詞は進行形にすることができません。(もちろん、例外は存在します)

仮に表面上の訳が「~している」となっていても、現在進行形ではなく現在形を用いて表します。

したがって、英語の学習をする上で状態動詞とはどういうものか、どのような種類があるのかを前もって知っておくことが重要です。

「存在動詞」の意味・用法

「存在動詞」は、人や物の存在を表す動詞です。一般的には「いる」「ある」と訳されます。

代表的な存在動詞は、やはり「be動詞」でしょう。そして、「lie」「exist」がこれに続きます。

これらは、場所を表す副詞句をともなって使われるのが普通です。では、それぞれを例文で確認してみましょう。

There was a big pine tree near my house.
自宅の近くには、大きな松の木があったんだ。

I think the problem lies in Japan’s social structure.
問題は、日本の社会構造にあると僕は思うよ。

It is believed that God exists.
神は存在すると信じられています。

「心理動詞」の意味・用法

「心理動詞」は、人の心理状態を表す動詞です。代表的な心理動詞には、「love」「hate」「hope」などがあります。

これらは、「愛している」「望んでいる」のように「~している」と日本語に訳されていても、そもそも動作ではないのでけっして進行形にはなりません

英作文の際には、十分に気をつけてください。では、例文で確認してみましょう。

I love working here in Japan.
私は、ここ日本で働くのが大好きなんだ

I hate practicing soccer on Sunday.
日曜日にサッカーの練習なんて大嫌いだ

I hope you like it.
君が気に入ってくれることを願っているよ。

\次のページで「「知覚動詞」の意味・用法」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: