化学

電気を流す「水溶液」の中には「イオン」がある?元研究員がわかりやすく解説

2.イオン式の書き方

原子が陽イオンになるには電子を1つ失うことが必要でした。また、原子が陰イオンになるには電子を1つ受け取ることが必要でしたね。

1つ電子を失うと1価の陽イオンになります。このことを元素記号の右上に小さく+と書くことで表します

一方1つ電子を得ると1価の陰イオンになります。このことを元素記号の右上に小さくーと書くことで表します

2-1.イオンをイオン式で表そう

1つの元素からなるイオンを単原子イオンといいます。先ほど出てきたナトリウムイオン、塩化物イオンは単原子イオンです。

ナトリウムイオンは1つ電子を失って1価の陽イオンになるので、「Na+」のように表します。本当は「Na1+」ですが価数の1は省略するのを覚えておきましょう。

1-2.では1価の陽イオンについてしか説明しませんでしたが、最外殻の電子の数が2個3個の場合は、電子を2個や3個失うこともあります。その場合は2価や3価になることもあるのです。

陰イオンについても同様に、最外殻の電子の数が6個や5個の場合は、電子を2個や3個受け取ることもあります。その場合は2価や3価になることもあるのです。

マグネシウム(Mg)はナトリウムより原子番号が1大きく電子が1つ多いので、最外殻の電子を2個失って2価の陽イオンになります。この時は「Mg2+」のように表すのです。

一方陰イオンについては、先ほど出てきた塩化物イオンは電子を1つ受け取って1価の陰イオンになるので、「Cl」のように表します。

硫黄(S)は塩素よりも原子番号が1小さく電子が1つ少ないので、最外殻に電子を2つ受け取って2価の陰イオンになるのです。この硫黄が陰イオンになったものを硫化物イオンと言い「S2-」のように表します。

陽イオンの呼び方は「元素名」+「イオン」ですが、陰イオンの呼び方は「元素名」ー「最後の一文字」+「化物イオン」と少し複雑になるので気をつけましょう。

2-2.多原子イオンのイオン式

単原子イオンは分かりやすいですが、イオンの中には原子が結びついた形でイオンになっているものもあります。原子が複数結びついた形でイオンになっているものを多原子イオンというのです。

多原子イオンは固有の名称を持っていて、よく出てくるものは10種類くらいしかありません。価数も固有のものなのでこの機会に覚えてしまいましょう。

【 陽イオン 】

NH4+ アンモニウムイオン

H3O+ オキソニウムイオン

【 陰イオン 】

OH 水酸化物イオン

NO3 硝酸イオン

HCO3 炭酸水素イオン

CH3COO 酢酸イオン

CO32- 炭酸イオン

SO42- 硫酸イオン

PO43- リン酸イオン

3.イオン化エネルギーと電子親和力

原子は原子核(+)と電子(-)が引き合って成り立っています。

安定になりたいから電子を失ったり受け取ったりしてイオンになるというお話をしてきましたが、引き合っている原子核から電子を1つ取り去るにはエネルギーが必要です。

3-1.イオン化エネルギーとは何か

最外殻にある電子1個を取り去るのに必要なエネルギーを第一イオン化エネルギーといいます。

イオン化エネルギーが小さい原子は陽イオンになりやすいということです。

イオン化エネルギーは元素に固有の数値があり、上のグラフからわかるように第1族(アルカリ金属)の元素はイオン化エネルギーが小さく陽イオンになりやすいといえます。

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