倒置とは、英文法の基本である「主語+動詞や助動詞」という語順を「動詞や助動詞+主語」として表現するものを言う。なぜ倒置となるかというと、ある語句を強調する目的の場合と英文の構造上の問題による理由の場合があるぞ。倒置の理由と合わせて整理しておくといい。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

強調を目的とする倒置

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倒置の目的の一つに、強調を目的とする場合があります。ここでは、否定の語句や場所や方向を表す語句を文頭にだす場合があるので、それぞれ例文を交えて詳しく見ていきましょう。

否定の語句で強調する

ひとつめは、否定の語句で強調する倒置の説明です。強調する方法の一つとして、否定の語句や only を文頭に持っていき、そのあとは疑問文と同じ構造にとすることがあります。ここでの否定語については、little, seldom, hardly などの順否定語も含まれますよ。

Little did I dream that she would pass an examination.
私は彼女が試験に合格するとは夢にも思わなかった。

Only in case of emergency can we push this button down.
緊急の場合のみ私たちはこのボタンを押すことができる。

場所や方向を表す語句で強調する

ふたつめは、場所や方向を表す副詞を文頭で使う倒置です。強調したり文のバランスを整えるために、場所や方向を表す副詞を文頭に置くことがあり、この場合「主語+動詞」は「動詞+主語」の順となります。ただし、代名詞が主語の場合は、倒置が起こらないことに注意が必要です。

Out of the house came my son.
家から飛び出してきたのは私の息子だった。

There you see my new car.
そこに私の新しいクルマが見えます。

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構文としての倒置

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倒置の表現のうち、構文として文法上の都合から倒置となる場合があります。前文を受けて倒置となる場合、仮定法の文で倒置となる場合とがあるので、使い方や意味をよく見ておきましょう。

前文を受ける場合

まずは、前文を受ける場合についての説明です。肯定文では「so + V + S(Sもそうです)」、否定文なら「neither/nor V + S(Sもそうではない)」となります。動詞の部分は一般動詞なら do を使い、be動詞や助動詞ならそのまま使いますよ。

Shota is a rugby player. ー So is Ryohei.
ショウタはラグビー選手だ。ーリョウヘイもそうだ。

I couldn't understand that math classes. ー Neither can I.
私はその数学授業を理解できなかった。ー私も理解できなかった。

仮定法の場合

最後に、仮定法の文で使われる倒置について見ていきましょう。仮定法の条件節である if 節の中で、were や過去完了、should が使われている場合は倒置とすることができます。この場合は、硬めの表現として使われることが多くなっていますよ。

Were I you, I would learn English words to get into my prefered school.
私があなたなら、志望校に合格するために英単語を覚えるだろう。

Should she know the fact, she would be surprised.
彼女が事実を知ったら、彼女は驚くだろう。

Had he believed my words, he would have succeeded.
彼が私の言葉を信じていたら、成功しただろう。

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倒置は強調するためのものと構文上の倒置、さらには仮定法の倒置も知っておこう!

今回の記事では、倒置となるケースについて説明してきました。強調するための倒置のうち、場所や方向を表す語句を文頭にだす場合に主語が代名詞だと語順はそのままになることに注意が必要です。

構文上の倒置の場合では、倒置となる仮定法が「If S were …」「If S should …」と仮定法過去完了の場合に限られます。入試などではよく登場するので、重要な表現として身につけておくといいですね。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 【英語】倒置を現役塾講師がわかりやすく解説!強調の倒置と構文としての倒置を身につけよう – Study-Z
英語の勉強法

【英語】倒置を現役塾講師がわかりやすく解説!強調の倒置と構文としての倒置を身につけよう

倒置とは、英文法の基本である「主語+動詞や助動詞」という語順を「動詞や助動詞+主語」として表現するものを言う。なぜ倒置となるかというと、ある語句を強調する目的の場合と英文の構造上の問題による理由の場合があるぞ。倒置の理由と合わせて整理しておくといい。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

強調を目的とする倒置

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倒置の目的の一つに、強調を目的とする場合があります。ここでは、否定の語句や場所や方向を表す語句を文頭にだす場合があるので、それぞれ例文を交えて詳しく見ていきましょう。

否定の語句で強調する

ひとつめは、否定の語句で強調する倒置の説明です。強調する方法の一つとして、否定の語句や only を文頭に持っていき、そのあとは疑問文と同じ構造にとすることがあります。ここでの否定語については、little, seldom, hardly などの順否定語も含まれますよ。

Little did I dream that she would pass an examination.
私は彼女が試験に合格するとは夢にも思わなかった。

Only in case of emergency can we push this button down.
緊急の場合のみ私たちはこのボタンを押すことができる。

場所や方向を表す語句で強調する

ふたつめは、場所や方向を表す副詞を文頭で使う倒置です。強調したり文のバランスを整えるために、場所や方向を表す副詞を文頭に置くことがあり、この場合「主語+動詞」は「動詞+主語」の順となります。ただし、代名詞が主語の場合は、倒置が起こらないことに注意が必要です。

Out of the house came my son.
家から飛び出してきたのは私の息子だった。

There you see my new car.
そこに私の新しいクルマが見えます。

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