「酸」と「アルカリ」が出す「イオン」について元研究員がわかりやすく解説
4.中和反応とイオン
酸から生じる水素イオン(H+)と、塩基から生じる水酸化物イオン(OH–)が反応して、水が生成する反応を中和反応といいます。この時に残ったイオン同士が結びついて塩(えん)を生じるのです。
これを化学反応式で表すと
HCl + NaOH → H+ + Cl– + Na+ + OH– → NaCl + H2O
塩酸(酸)と水酸化ナトリウム(塩基)を混ぜ合わせたとき、塩化ナトリウム(塩=えん)と水が生成します。
4-1.中和反応の化学反応式を書いてみよう
このように酸と塩基がイオンに電離して、水と塩(えん)ができるという事がわかっていれば、様々な酸と塩基が中和する化学反応式を書くことができます。
問題 硫酸(H2SO4)に水酸化バリウム(Ba(OH)2)水溶液を加えて、完全に中和した時の化学反応式を書きましょう。
まず、酸と塩基それぞれの電離式を書きます。
H2SO4 → 2H+ + SO42-
Ba(OH)2 → Ba2+ + 2OH–
中和するという事はH+とOH–を過不足なく反応させたいのですが、この酸と塩基の電離式はH+とOH–の係数がそろっているので、このまま上の式と下の式を足しましょう。
H2SO4 + Ba(OH)2 → 2H2O + BaSO4
硫酸(酸)と水酸化バリウム水溶液(塩基)が完全に中和したら、水と硫酸バリウム(塩=えん)ができました。
問題 塩酸(HCl)に水酸化カルシウム(Ca(OH)2)水溶液を加えて、完全に中和した時の化学反応式を書きましょう。
まず、酸と塩基それぞれの電離式を書きます。
HCl → H+ + Cl–
Ca(OH)2 → Ca2+ + 2OH–
中和するという事はH+とOH–が過不足なく反応させたいのですが、この酸と塩基の電離式はH+とOH–の係数がそろっていません。そこで、酸の電離式の両辺を整数倍します。塩基のOH–の係数が2なので、酸の電離式の両辺を2倍しましょう。
2HCl → 2H+ + 2Cl–
これで、H+とOH-の係数がそろったので、酸と塩基の電離式を足して水と塩をつくりましょう。
2HCl + Ca(OH)2 → 2H2O + CaCl2
塩酸(酸)と水酸化カルシウム水溶液(塩基)が完全に中和したら、水と塩化カルシウム(塩=えん)ができました。
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