反応熱では少数派!「吸熱反応」を元塾講師がわかりやすく解説
2-2.還元実験
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酸化反応である燃焼が発熱反応ですから、還元はその逆の吸熱反応であると気づいた人もいるかもしれませんね。還元反応についても、反応前に焦点を当てて考えてみましょう。
実験の操作手順を思い出してみると、酸化物に炭素などの物質を合わせることで酸素を取り除くという反応でしたね。このとき、加熱が必要になりました。多くの実験において加熱操作は実験に欠かせないものであり、反応を進めるためのエネルギーの供給源になってくれているわけです。つまり実験操作に加熱操作が必要な実験は吸熱反応であると考えてもいいでしょう。こう考えると吸熱反応と発熱反応の見分け方が簡単になりそうですね。
3.電気や光を吸収する反応
発熱反応とは言いながら発電・発光する反応があったように、吸熱反応にも電気や光を吸収する反応があります。ただ、吸収というと少しわかりにくく想像がつかないかもしれませんね。そこで「電気によって反応が進む」「光をエネルギーとして反応が起こる」と考えてみてはどうでしょう。視野が広がりそうな気がしませんか?
3-1.電気分解
電気を吸収すると考えるとややこしいので、反応前に焦点を当てて電気を流すことで反応が進むと考えてみましょう。このとき、最も考えやすい実験が電気分解です。
水の電気分解を思い出してみましょう。水を電気分解すると、水素と酸素が2対1で発生するというものでしたね。これは電気の正体である電子の動きがその原理に関係していました。化学反応式を覚えていますか?
水の電気分解は 2H2O → 2H2 + O2 で表されます。化学反応式では左辺と右辺を矢印でつなぎますが、エネルギーの関係を式に含めた熱化学方程式ではイコールが使われるとお話ししましたね。
つまり 2H2O(液) + 電気エネルギー = 2H2(気) + O2(気) となるのがわかるでしょうか。しかし、熱化学方程式のルールに乗っ取って記載すると H2O(液) = H2(気) + 1/2O2(気) ー 電気エネルギー と書き換えることができます。中学ではまだ習わない内容なので、参考までに見ておきましょう。
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