
静電気の起こる原因は?理系ライターがわかりやすく解説!

寒い冬の日にドアノブなんかを触るとパチッと手が痺れてびっくりしたことがあるだろ?それは静電気の放電によるものなんだ。今回の記事ではなぜ静電気が発生するのか、何が原因で発生するのかというところを一緒に見ていこう!
実際の物理の問題では静電気は登場する頻度が少ないんだが、電気分野の基礎となる部分、電荷同士が及ぼし合う力についても触れるのでしっかりマスターしておこう。物理がさっぱりで純粋に静電気について知りたい!という人にも分かるように説明していくので安心して読み進めてくれ!
今回は理系ライターの四月一日そうと一緒に見ていくぞ!

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/四月一日そう
現役の大学生ライター。工学部の電気電子工学科に所属しているゴリゴリの理系。普段は電気回路や電磁気学などを中心に勉強している。アルバイトは塾講師をやっており、日々高校生たちに数学や物理の面白さを伝えている。
今回のテーマである静電気はよく実験でも取り扱っておりなじみのある範囲。
静電気ってなに?

image by iStockphoto
静電気が発生するメカニズムや原因を知る前にまずは静電気の正体について1度、見ていきましょう!
静電気とは静かな電気と書きますね。これは静止している電気ということを表しています。では逆に静止していない電気とはなんでしょう?それは電流ですね。電流は電荷が常に移動しているのですが、静電気は常に移動している訳ではないということを意識しておいてください。
ズバリ静電気の正体とは物質の電気のバランスが崩れることなんですね。
もともと物質はプラスとマイナスの電気をバランスよく持っているわけです。このバランスが合っているとプラスとマイナスが打ち消しあっている状態と言えます。
これが崩れる事が静電気の正体なのです。次は具体的な例で静電気が発生するメカニズムについて見ていきましょう!
静電気が起こるメカニズム

image by iStockphoto
静電気の正体は分かりました。では次は静電気が発生する様子を具体的に見ていきましょう!
静電気の正体は物質の持っている電気のバランスが崩れる事でした。ということは何かの拍子にこのバランスが崩れてしまうことがあるわけですね。
例えばプラスの電気を失った物体Aとそのプラスの電気を得た物体Bがあるとします。
このときAはプラスの電気を失うことによりマイナスの電気を多く持っている状態になってしまうのです。これはAがマイナスに帯電してると言えるでしょう。
逆にBはプラスの電気を受け取ったことによりプラスに帯電します。
静電気はこのようにして発生するわけですね!
静電気の放電
これまで静電気の正体、起こる仕組みについて説明してきました。
でも、日ごろ静電気を感じる瞬間はあのバチッという瞬間ですよね。次はあのバチッという現象に関してみていきます!
あのバチッという現象は静電気の放電によるものなんです。プラスとマイナスに帯電したもの同士が触れ合うと電気のバランスを元に戻そうと電荷が移動します。この電荷の移動を人間が刺激に感じているわけです!
人間は普段の生活による摩擦などでプラスの電気を帯びやすいと言われています。そのため金属の持っているマイナスの電気と反応してバチッとなるわけですね。
クーロン力

image by Study-Z編集部
他に静電気を身近に感じる場面と言えば髪の毛と下敷きのものでしょうか。下敷きで頭を擦ってから下敷きを上に持ち上げると髪の毛が下敷きに引っ張られるげんしょうですね!
この現象はクーロン力という力が働いていることに関係しているんです!
クーロン力というのは荷電粒子という電気の元となる粒が引き合ったり退けあったりする力のことをいいます。
クーロン力の大きさは画像の式です。kはクーロン定数という定数、rは荷電粒子のあいだの距離。q1、q2は電気量の大きさを表しています。
q1、q2が同符号の時はクーロン力は退け合う向きの力で、異符号の場合は引き付け合う力ですね。
この式からクーロン力について2つのことがわかります。
1つはクーロン力の大きさはq1、q2の荷電粒子の電気の大きさの積に比例するということ。
2つめはクーロン力は荷電粒子の距離rに反比例するということです。
簡単に言えば電気量が多いほど力が強く、離れると弱まるということですね!

静電気の起こりやすさにも個人差があるのは知っているか?
頻繁にバチッと言う現象が起こるひともいればたまーにしかならない人もいるんだ。その違いにはあることが関係している。
それは乾燥なんだ。そもそも冬にバチッと起こりやすいのは空気が乾燥していて人間が上手く自然放電できていないからなんだ。それに加えて髪の毛や肌が乾燥している人は余計に自然放電が上手くいかなくて体にプラスの電気を溜めているんだな。だから肌などが乾燥気味の人は静電気が起こりやすいんだ。
あとは着ている服によっても起こりやすさが違うぞ。ナイロンやウールといった素材はプラスの電気を帯びすいんだ。これが金属のマイナスの電気と反応してもバチッとなるんだな。
静電気に悩んでいる人はハンドクリームを塗って保湿したり、着ている服の素材を見直してみるといいぞ!
\次のページで「放電の電圧」を解説!/